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【第19回JaLSA教育・文化懇話会のご案内】2012.5.7
第19回JaLSA教育・文化懇話会は産経新聞社特別記者・編集委員兼論説委員の田村秀男先生をお招きし、『欧州危機と日本・中国経済の動向』をテーマに開催いたします。奮ってご参加ください。
テーマ:「欧州危機と日本・中国経済の動向」
日時:24年5月22日(火)18:00〜20:00
場所:中央大学駿河台記念館620号室
講師:産経新聞社特別記者・編集委員兼論説委員 田村秀男先生
会費:JaLSA会員 無料 非会員:2000円
定員:50名
申込み用紙(PDF)
【第12回JaLSA進学フェア 参加申し込み開始】2012.4.24
日本語学校の進学相談者と大学・専門学校の学生募集担当者を結ぶ日本で唯一のBtoBイベントです。是非ご参加ください。
また、進学フェア終了後懇親会を予定しております。
開催日時:2012年6月21日(木)14:20〜17:30
会 場:中央大学駿河台記念館281号室(東京・御茶ノ水)
お問い合わせ:JaLSA進学フェア事務局 翰林日本語学院 担当:長岡陽子
TEL:045-983-2228 FAX:045-983-5373
詳細は下記のご案内をご覧ください。
日本語学校用案内(PDF)
大学・専門学校用案内(PDF)
【JaLSA提言】2012.4.2
《留学生通信30》
愛と絆の架け橋を説く日本語留学生スピーチコンテスト(PDFファイル)
【JaLSA提言】2012.2.27
《留学生通信29》
新規審査は国で 日本語教育検討会議の最終報告固まる(PDFファイル)
−日本語学校を充実させ優秀な語学留学生を育てよう−
【法務省告示校一覧】2012.2.25
このたびJaLSAにて『法務省告示校一覧』を作成いたしました。
この一覧は法務省の「告示された日本語教育機関等(http://www.moj.go.jp/content/000049609.pdf)」ファイルと『官報』を基とし、住所や電話番号等を加筆して作成したものです。
【普天王引退 稲川襲名 披露大相撲に参加された学校様へ】2012.2.3
平成24年1月29日に行なわれました普天王引退相撲は盛大に無事終了したしました。JaLSA特別席での普天王引退相撲にお越しいただいた学校の皆様ありがとうございました。留学生も喜んだのではないでしょうか。また、次の機会がございましたらご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
[JaLSA 第1回大学訪問]2011.12.26
拓殖大学「留学生獲得・育成で、大学と海外進出企業との連携が必要」
[第18回JaLSA教育・文化懇話会/平成24年賀詞交歓会のお知らせ]2011.12.26
平成21年7月15日、「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律」が公布され、新たな在留管理制度が平成24年7月から導入されます。 そこで、今回の教育・文化懇話会では、入管協会の佐藤修先生をお招きしお話を伺います。教育・文化懇話会終了後には、新年賀詞交歓会を行います。
第1部「JaLSA教育・文化懇話会」
日 時:平成24年1月25日(水)16:30〜18:00
会 場:中央大学駿河台記念館
会 費:JaLSA会員 無料 非会員1000円/一人
テーマ:新たな在留管理制度について
講 師:財団法人入管協会専務理事 佐藤修氏
第2部 賀詞交歓会
会場:1Fレストラン「プリオール」
時間:18:30〜20:00
会費:5000円
申し込み用紙(Wordファイル)
[第5回JaLSA「日本語教育ゼミ」のご案内]2011.12.26
第5回は株式会社きぼうコンサルティング代表取締社長・翰林日本語学院役員の繁田克彦先生をお招きして『日本企業が求める外国人の人材像』をテーマに開催いたします。奮ってご参加ください。
テーマ「日本企業が求める外国人の人材像」
日時:24年1月20日(金)14:00〜16:30
場所:中央大学駿河台記念館 620号室
講師:株式会社きぼうコンサルティング 繁田克彦氏
会費:JaLSA会員 無料 非会員1000円
定員:50名
申し込み用紙(会員 Wordファイル)
申し込み用紙(非会員 Wordファイル)
[JaLSAニュース]2011.11.1
日本武道館『平成二十四年 鏡開き式 武道始め』のご案内
財団法人 日本武道館 様より、『鏡開き式 武道始め』のご案内を頂きました。
日本の文化・伝統武道9種目を一日でご覧いただける貴重な機会です。
無料でご自由にご観覧いただけますので、ぜひ学生にご紹介ください。
日 時:平成24年1月9日(月・祝)正午より開会
会 場:日本武道館大道場
内 容:日本武道館鏡開き式、武道9種目の模範演武、武道始め稽古会
お問合せ:財団法人日本武道館 振興課 TEL 03−3216−5134
事前申し込みは不要ですが、学校単位で団体での観覧をご希望の場合は、財団法人日本武道館 振興課まで事前にご連絡いただければ、可能な限りまとまった座席の確保をして頂けるそうです。
詳しくはこちらへ
[JaLSAニュース]2011.9.12
【JaLSAベトナム教育認証制度】 認証手数料改定(一部値下げ)のお知らせ
昨年より開始したベトナム教育認証制度ですが、すでに80通を超える認証書が発行され、
ベトナム学生の日本留学に大きく役立てられてきました。
この度、認証機関であるベトナム教育訓練省CEPECEより、ベトナム学生の更なる日本
留学促進と、認証制度利用促進のため、下記のとおり一部発行手数料を値下げする旨の
連絡がありましたので、お知らせいたします。
記
1. 実施日 2011年9月〜
2. 認証手数料 (旧料金)一律 認証書1通あたり 30ドル (送料別途 1通あたり 25ドル)
↓
(新料金)
@ 高等学校 卒業証書
A 短期大学 卒業証書
B 大学 卒業証書
従来通り 認証書1通あたり 30ドル (送料別途 1通あたり 25ドル)*
*ただし、同一の学校宛に@〜Bの認証書を5通以上まとめて
発送の場合は2通分の送料を割引
C 大学入試統一試験結果
D 高等学校 成績及び卒業(仮)証明
(卒業後、卒業証書が発行されるまでの間卒業証書に代わる証明)
認証書1通あたり30ドル (送料込)
*同一の学校宛にCDの認証書をセットで発送の場合、2通目は15ドル
以上
本件に関するお問い合わせ先
JaLSA事務局 ベトナム認証担当
TEL : 03-3292-3232
E-mail : vietnam@jalsa.jp
[JaLSAニュース]2011.9.1
[第11回JaLSA進学フェア 参加申込受付開始]
日本語学校の進学相談担当者と大学・専門学校の学生募集担当者を結ぶ
日本で唯一のBtoBイベントです。
是非ご参加ください。
開催日時:2011年10月13日(木)14:20〜17:30
会 場:中央大学駿河台記念館281号室(東京・御茶の水)
問合せ先:JaLSA進学フェア事務局 翰林日本語学院 担当:長岡陽子
TEL:045-983-2228 FAX:045-983-5373
詳細は下記のご案内をご覧ください
日本語学校用案内
大学・専門学校用案内
[JaLSA提言]2011.6.29
台湾総統選挙、影を潜めた「統独論争」
来年1月の台湾の総統選挙の与野党候補が正式決定し、選挙戦が事実上スタートした。国民党は再選を目指す馬英九総統、野党・民進党は蔡英文主席が女性初の総統を目指す。台湾の総統選挙といえば、「統一か独立か」という「統独論争」でにぎわったが、今回は影を潜めた。独立を声高に叫ぶ声は、候補者はもちろん、応援団からもほとんど出てこない。馬英九政権の3年で中国との緊密化が進み、時代は変った。中国との関係はいまの緊密化の速度を緩めるかどうかといういわば「現状維持」の中での争いでしかない。
ダブル選挙で与党、国民党有利
与党・国民党は総統候補に馬英九総統以外に名乗りを挙げる人がなく、早くから総統候補を決定し、早々と副総統候補にも呉敦義行政院長(首相)を決めた。一方の民進党は党内予備選で蘇貞昌元行政院長、許信良元党主席が立候補し、蔡主席が勝ち、候補者に決まった。ただ、副総統候補は党内事情もあり決定が遅れた。さらに野党陣営では住民投票による独立を主張する女性評論家、黄越綏氏が独立候補として参戦を表明、ほかにも独立運動の活動家が立候補を模索している。
台湾の選挙法では政党の公認候補以外は有権者20万人以上の署名が必要など立候補の条件は厳しい。このため黄越綏女史も最終的には立候補できるかどうかはわからないし、一部には立候補しても反国民党ムードを盛り上げ、野党に票を集めるのが狙いで、最後の段階で立候補を辞退するという見方もあり、実際には民進党の第二応援団だとする声もある。いずれにせよ国民党が早くから馬英九再選で一本化しているのに、野党陣営は民進党内外とも相変わらず、なかなか団結しない。与党有利という声が出るのは当然だ。
それでなくとも選挙は現職有利だ。馬英九総統はもちろん、副総統候補の呉敦義行政院長も院長を辞めず、現職のまま、戦う。野党側は「行政資源の選挙利用だ」と批判しているが、法的には問題ない。陳水扁総統、呂秀蓮副総統も再選の時は当然、現職のまま選挙を戦った。国民党は正副総統候補決定後、早速、二人が手分けして地方視察などに回っており、事実上の選挙活動を始めている。
現職有利に加えて今回は選挙日程上からも国民党有利になっている。総統選挙は来年1月14日で、立法院(国会)選挙とダブル選挙となった。これは中央選挙委員会の決定だが、当然、与党国民党の意向が強く反映しての決定だろう。もともと立法院選挙は今年12月とされていた。任期は来年1月末までだが、その1ヶ月以上前に選挙するのが通例だったから。それを遅らせて、総統選挙と同時実施とした。
総統の任期は5月20日。総統選挙は選挙法ではその一ヶ月以上前に行うことになっており、通常は3月20日前後だった。規定では一ヶ月以上前というだけで、いつからいつまでという規定はない。従って3か月前でも、半年前でも問題はない。そこで4ヶ月以上も前倒しして立法院と同時選挙という形にしたわけだ。立法院では国民党が圧倒的で、その現職立法委員と総統、副総統候補が2人3脚で選挙区を回る。ダブルが与党に有利なのは日本でも同じだ。
「1月14日」という日付が、また与党には有利になる。来年の旧正月(春節)は1月23日。台湾人は1年の行事の中でなによりも春節を大事にし、日ごろ遠く離れている家族も一堂に会して春節を祝う。50万人とも100万人ともいわれる中国にいる台湾ビジネスマンやその家族も台湾に帰省する。3月の選挙だと、春節で帰り、選挙で帰り、と二度帰ることになり、時間的経済的に苦しく、春節だけという人も多い。それが来年は春節と選挙が接近しているから1回の帰省で済む。投票率は上がり、彼らの多くは仕事上の必要もあり、中国寄りであり、国民党支持だ。
もう一つある。1月14日という時期は大学の期末試験の最中だ。台湾の選挙は本籍地に帰って投票する。従って地方から都市部の大学に進学している学生は帰省して投票しなければならないが、期末試験と重なる。試験放棄は落第覚悟ということになるから、それはまず選択しないだろう。この学生たちは「首投族」と呼ばれる初めて総統選に投票する若者。その多くは民進党支持だが、期末試験のため棄権せざるを得ないだろう。彼らの投票率は上がらない。つまり国民党有利となる。
大きな争点はない選挙
日程やダブル選挙のほかに「争点」という選挙の本題でも国民党が有利だ。実のところ大きな争点がない。台湾の総統選挙ではこれまではいつも統一か独立かという対中関係が大きな争点になっていた。それが今回は正面切っての争点にはなっていない。
馬英九総統は3年前に政権を取ってから中国との関係緊密化を進めてきた。直行便を飛ばし、中国人観光客を受け入れ、対中投資も規制緩和、昨年6月に経済協力枠組み協定(ECFA)を締結し、相互に関税ゼロを目指し、中国と台湾を一つの共同市場にしようとしている。最近は中国からの留学生受け入れも本格化しようとし、中国のことは「大陸地区」と呼ぼうとまで言い出し、台湾は「台湾地区」。これでは台湾は中国の一部であるという中国の主張を受け入れたようではないかーと野党を中心に強い反発がある。
実際、世論調査では「自分は台湾人であって、中国人ではない」という人が60〜70%、「自分は中国人であり、台湾人ではない」という人は5%前後にすぎない。行政院大陸委員会が定期的に行っている世論調査(昨年12月調査)でも、「すぐに中国と統一」というのはわずかに1・2%。といって「すぐに独立」という人も6・4%で、最大は「現状維持後、どうするか決める」というのが34・2%、次いで「永遠に現状維持」が28・4%だった。これに現状維持後に独立、現状維持後に統一を加えた広義の現状維持は実に87・3%に上る。
台湾は台湾で中国ではないが、でもすぐに独立はしないーというのが今の台湾人の考えといえる。中国人ではないのになぜ独立しないのか。それは中国の台湾政策の成果かもしれない。中国はここ二十年来、台湾と国交を結ぶ国にアプローチし、台湾と断行させ、中国と国交を結ぶ工作を続けてきた。
国際機関からも台湾の締め出しを図り、加盟を拒み、国際社会の中で台湾を孤立化させ、国際社会から「台湾」の抹殺しようとしているようだ。その結果、台湾はWHOは「中国台湾省」となっているようだし、WTOで「台湾・澎湖・金門・馬祖」、オリンピックでは「中華台北」の名でしか参加を認められていない。純然たる民間の国際イベントでも昨年の東京六本木の国際映画祭で、代表団に「台湾」の名を使わせず、中国台湾とするよう求めた騒ぎに代表されるよう中国は台湾の名を消そうとしてきた。
外交的な圧力だけではない。軍事的な圧力もある。中国は台湾に向けてミサイルを配備しており、米国筋によると、その数、来春には1800基になるという。2005年には「反国家分裂法」を制定し、台湾独立の動きには「非平和的手段」の行使、つまり武力行使も辞さないと制定した。単なる脅しではない。1996年の台湾初の総統選挙では台湾周辺の海域に演習と称して実際にミサイルを撃ち込んだ。
民間人も中国で事業をする経済人は中国のいいなりになるしかない。反国家分裂法の騒ぎの中で起きた許文龍事件がその典型である。奇美グループの創始者である許文龍氏は独立派財界人としても有名だったが、その奇美の中国子会社が中国当局からいわれのない理由で税務や取引企業を通じた締め付けを受け、挙句の果てに現地責任者が拘束されてしまった。台湾で反国家分裂法反対の大デモが行われる直前にその許文龍氏が台湾の新聞に台湾独立反対、反国家分裂法支持の大広告を掲載したのである。許氏は今もそのいきさつは語らないが、中国の圧力によるものとみられており、実際広告掲載後、現地責任者は何事もなかったように解放された。
外交的、軍事的な台湾いじめは国に対してだけでなく個人に対しても執拗に今も繰り返されている。台湾人が「私は中国人ではない」といいながらも、はっきりと「独立」をいわなくなったのはこうした長年にわたる中国の対台湾工作があるからだ。だから政治の世界で「独立」を声高に叫べば、中国がまた圧力をかけてくると思い、多くの有権者は「政治はいやだ」と思うようになり、独立を叫ぶ政治家は「やめてほしい」と思うようになっている。
そんな有権者の心理がわかっているから、野党民進党も「独立」は表立ってはいわなくなり、「中国」をあまり争点にしたがらない。言えば、票が逃げる。だから「経済」や「教育」など国内問題を争点せざるを得ない。そうなると与党との際立った対決になりにくくなる。
とくに経済は馬政権になって最初はリーマンショックで成長率が落ちたりしたが、その後は世界経済の回復に連れて回復してきており、昨年は10%を超す成長率を記録した。こうなると経済を争点にしても野党の攻撃も難しくなる。ということで選挙戦は今のところ盛り上がりに欠け、その意味でも与党、現職有利の構図は変らない。
要注意は中国応援団の動向
問題は馬英九総統と蔡英文主席の人間的な魅力だろう。馬総統は失言が多いし、失政も多い。それを率直に認めない。尖閣諸島の事件ではないが、中国人は自分が悪くても絶対に謝らないというが、外省人のせいか馬総統にもその傾向がある。外見はいいが、思いやりに欠けるという批判もある。上に立つ者は、批判は覚悟しなければならないが、少しでも批判されるとヒステリックにさえ思える反発を示すことがある。
対する蔡英文主席は初の女性総統候補ということでまずは人気がある。学者出身の固さがあったが、昨年の新北市長選に出たこともあってかだいぶ政治家らしくなってきたともいわれる。単なる人気投票だったら、蔡主席に軍配が上がるだろう。
実は中国もそこは承知というよりは心配しているところだろう。来年、総統選で馬総統が破れれば、中国が描く台湾統一の夢はほぼ絶望的になる。立法院でも野党が過半数を握れば、統一どころか現状維持も難しい。台湾はそれこそ台湾独立に再び歩み出す可能性もある。そこで中国は来年の国民党の勝利のために馬総統以上にあれこれと工作するとみられている。
馬政権の中国接近路線は「傾中」と批判されるが、その批判回避のためにミサイルの一部撤去の可能性が指摘されている。中国緊密化だから軍事的脅威が解消したということで馬総統の功績になる。
南部の農村地帯は野党の金城湯池といわれるが、昨年来、中国の代表団の訪問が相次いでいる。代表団は野菜や果物の大量買付けを約束し、農民は中国に目を向け始めている。代表団を案内するのは国民党の立法委員や関係者たち。これは中国による票集めだと野党は批判しているが、生産物を買ってくれるなら農民はうれしい。
7月から中国との間の直行便が約5割増便になったが、同時に台湾人が中国に行くときに必要な鉄月の台胞証の発行費用が半値に下がった。「もっと気軽にいらっしゃい」というわけだ。秋までに法律を制定して、台湾人が中国で個人経営を始めることができるようにするとも言っている。そのためには国民党政治による中台蜜月が前提。これも来年の選挙を見据えた措置だろう。
経済回復で上り調子なうえに中国という応援団がついている国民党と、国民党を攻撃する材料を探しあぐねている民進党。大勢は国民党有利だろう。だが、大陸委員会の調査では今の中国接近が早過ぎるとする見方が3分の1以上ある。中国政府は台湾に対して友好的でないという見方は過半数を占める。そのうえで自分は台湾人であって中国人ではないという台湾意識が7割前後。野党の勝機があるとすれば、この台湾意識が素直に投票行動に結びついたときだろう。
中国のこれまでの台湾に対する仕打ちを多くの台湾人は身に沁みて知っているし、今後、中国応援団はどんな手を打ってくるかも要注意だ。年初、中国の富豪が慈善と称して台湾を回って現金をばら撒いたことがあった。お金をもらうため早朝から行列する人がいた一方で、台湾人を蔑むものだとの批判も強かった。台湾人意識を刺激したのである。野党はこの台湾意識を引っ張り出せば勝機がある。民進党の応援団でもある社会団体は「棄馬保台」(馬英九を捨てて台湾を守る)と訴えている。有権者は野党が勝っても独立ではなく、台湾の現状維持が続くとわかっているだけに、勝利の可能性は決して小さくはない。(了)
[JaLSA提言]2011.6.15
《留学生通信24》
第16回JaLSA教育文化・懇話会講演会
「福島第1原子力発電所事故の処理と日本の原子力政策」
―――寺田寅彦・正しく怖がることの難しさ―――
日時 平成23年5月12日
場所 中央大学百周年記念館
講師 長辻象平産経新聞論説委員
◆総延長500キロメートルの断層が動いた東日本大震災
福島第1原子力発電所の事故はさる3月11日「マグニチュード9.0」という超巨大地震となり、福島県沖で起きた。9.0の地震は政府の地震調査研究本部も想定していない地震だった。何故なら「福島県沖は大きな地震が起きないところだ」と予測され、「あの辺りのプレートはゆっくり動いて行き、東海沖や南海沖のように激しい動きがないだろう」と言われていた。しかし、そういう最近の地震研究に反し、誰もが考えなかった総延長400〜500キロという断層が動き、14〜15メートルの大津波が太平洋側から福島県沖、宮城県沖に押し寄せた。福島第1原子力発電所と第2原子力発電所が津波に襲われ、とくに第1原子力発電所で炉心溶融が起き、未だに未処理の大変な情況だ。
◆ レベル7同士の福島第一原発事故とチェルノブイリ原発事故は同一被害か
それに伴い放射能が放出され、「レベル7」という原子力事故の国際評価尺度(INES)で最高段階の重大事故と認定された。ロシアのチェルノブイリ原子力事故と同じような事故になる。「チェルノブイリ事故は原発史上最悪の事故だ」と言われ、「数万人が死んだ」「数十万人が死んだ」といわれた。その範囲で「福島も深刻な事故だ」と、とくに外国で思われる傾向が強いが、「これは本当に大事故なのか」。何の根拠をもって「レベル7」にしたか、から話したい。
国際評価尺度の基準では、「数万テラベクレルの放射能が放出された場合」は「レベル7」と記載される。「テラ」は10の12乗、0が12個並んだ数で、日本だと1兆に当たる単位。数万テラベクレルは、数万兆ベクレルの放射能が放出されたことになる。ちなみに「ベクレル」は放射能の単位。新聞やテレビで報じられる「ベクレル」「シーベルト」「グレイ」の単位だが、「グレイ」は、医療関係の放射線治療に使うときの単位で、放射能事故の場合は「ベクレル」「シーベルト」の二つを使う。
この「ベクレル」は「1秒間に一つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量」。例えば370ベクレルだと「放射性セシウムが、毎秒ごとに370個の原子核が崩壊して放射線を発する」ことを表し「ベクレル」という単位で計る。「ベクレル」は「放射能の強さを表す放射能の単位」と覚えておいて下さい。
◆国際原子力機関とロシアは「チェルノブイリ事故ほどではない」と指摘
チェルノブイリ事故は運転中の爆発事故 福島は瞬時に原子炉停止
しかし、福島の原発事故は「レベル7ではおかしい」という声が上がった。「チェルノブイリ事故とは全然違う」との指摘だ。例えばIAEA(国際原子力機関)は「福島はそんなに大きな重大な事故ではない」「数万テレベクレルというが、違うのではないか」と言っている。「実際はもっともっと低い事故」「重たくない事故だろう」と言われている。
チェルノブイリ事故を起こしたロシア自身が「福島がチェルノブイリと同じレベル7はおかしい。そんな事故ではない」と言い、日本だけが「レベル7」だと言ってしまった。言った以上「これは重大事故だ」と受け止められても仕方がないが、実態は違うということを、今日は少し詳しくお話したい。
(注:経済産業省原子力安全・保安院が6月6日に発表した福島第1原発事故の直後に、大気中に放出された放射性物質の総量を「推定77万テラベクレル」と修正した。従来は4月に発表した37万テラベクレル。原子力安全委員会は63万テラベクレルとしていた。一方、チェルノブイリ事故の場合は、放射性物質の総量は、国際原子力機関の推定によると、広島市に投下された原子爆弾の400倍と推定し、西側の専門家によると、同事故で放出された放射性物質の総量は11.1エクサベクレル=1110京ベクレル=1110万テレベクレルとされ、福島第1原発事故とは質的にも量的にも比較にならないぐらい大量の放射性物質が大気中にばらまかれた模様だ。また、別のデータでは、広島の爆心地が受けた推定放射線量は12000兆マイクロシーベルト/時で、福島原発事故の数百兆倍ともいわれている。)
◆チェルノブイリ事故は運転中の爆発事故のため有害放射能が大量放出
福島第1原発事故は原子炉停止で有害放射能は消滅・汚染度が全く違う
チェルノブイリ事故と福島事故との違いは、チェルノブイリ事故は運転中の爆発だった。福島事故の場合は、地震が起きた瞬間に原子炉が揺れを感知し、制御棒が挿入され原子炉が瞬時に止まった。「原子炉の停止は、ウラン燃料の核分裂反応が止まる」ことだ。
チェルノブイリの場合は、運転中に爆発事故が起きた。福島の場合は、地震と津波で外部電源が喪失したが、チェルノブイリの場合は、外部電源喪失の事故に備えてうまく運転できるよう実験をやっていたが、その実験を実はしてはいけない出力の領域でやり、原子炉が暴走して大爆発を起こした。そこで「運転中の爆発は有害な放射能が多い」と書かれた。そこで「有害な放射能があるならば、無害な放射能があるのか」と思われるが、実はこれがある。
有害な放射能は寿命の短い放射性物質だ。例えば、有名なプルトニウムは、非常に寿命の長い放射性物質だ。それに反し、寿命が1時間とか、30分とか、数分とか、寿命の短い放射性物質はたくさんある。短いということは、短時間に猛烈に放射能を出して安定なモノに代わるので、寿命が短ければ短いほど猛烈に放射能を出す。チェルノブイリ事故の場合は、猛烈に放射性物質を出す寿命の短い放射性物質だったので、大気中に大量の放射性物質をばら撒いた。
一方、福島の場合は運転停止から24時間ないし、48時間ぐらいで、1号機の建屋が爆発、1日おいて、3号機の建屋が爆発した。制御棒が挿入されて、核分裂反応が止まり24時間、ないし48時間経ってからの爆発なので、原子炉の中で、寿命の短いやっかいな放射能は全部消滅した。そこが違う。だから汚染度がまるで違う。
◆チェルノブイリ原発は圧力容器を包む格納容器を持たぬゆえ汚染拡大
チェルノブイリの原子炉は出力100万キロワットという日本と規模の同じような原子炉だが、格納容器がない。原子力発電所の建物内には、圧力容器という大型バスぐらいの大きさの容器がある。厚さが16センチから17センチぐらい、鋼鉄でできた円筒形の容器だ。その容器の中に核ウラン燃料が入っている。その外側を包むようにあるのが格納容器だ。厚さ3センチ、高さが30メートル、最大直径が18くらいの鉄の容器だが、この格納容器は原子力事故が起きた場合、放射能物質を外に出さないために圧力容器を包む容器だ。日本、アメリカ、フランスの原子炉は、全部持っている。ところが旧ソ連製のチェルノブイリの原子炉はこの格納容器を用意していない。圧力容器が爆発したら全部崩れ、汚染度がまるで違う。福島はチェルノブイリ事故とはまるで違うのだ。
◆チェルノブイリは旧式黒煙型原子炉の爆発大火災で国際的放射能汚染に
もう一つ大きな違いは、日本の場合、原子炉で中性子を落とすために水を使うが、ソ連の炉は特殊な炉で黒煙を使っていた。黒煙は炭素の固まりで爆発後、火がついた。猛烈な火災により上昇気流が起き、2000から3000メートル上空まで放射性物質を含むダストが竜巻のように立ち上り、放射能雲となり、国境を超えた国際的放射能汚染を引き起こした。福島の場合にはなっていない。格納容器があり漏れ出た規模が違った。
チェルノブイリ事故の場合は炉心が吹き飛んだ。「チェルノブイリすら10日間で止めたではないか」「日本はまだ止まっていない」と言われるが、チェルノブイリの場合は「10日間で火事が収まった」が、炉心を冷温停止に持っていこうにも、炉心は吹っ飛んで無いわけで、冷温停止も何もあったものではない。
チェルノブイリ事故の方が、福島の事故を遙かに上回った。全く量も質も違うが、運の悪いことに「レベル7」という尺度だけが、世界評価の基準にあい「大事故だ」と思われても仕方がない情況に、政府が追い込んだ。
◆レベル7の基準条件「炉心燃料以外の核分裂生成物の放出」が無かった福島
「深刻な汚染がまたがる複数の国がある」という基準も、福島は該当せず
「レベル7」だが、指標の「数万テラベクレルという放射能の放出」につき、国際評価尺度の評価では「炉心燃料以外の核分裂生成物質の放出がある。これがレベル7である」と書いてある。福島の場合、放射性物質は外に出たが、「炉心以外の核分裂生成物質の破片は出ていない」。大きな違いだ。
それから「深刻な汚染がまたがる複数の国がある」ことも「レベル7」の要件だが、日本の福島事故の場合はそうなっていない。チェルノブイリ事故と福島事故の違いだと承知しておかないと、実体を捉え損なう。
◆チェルノブイリ事故では死者58人 死者数万人、数十万人説は未確定
過剰・反復報道で誤数値の固定化促す 福島第1原発の事故は死者数0
チェルノブイリ事故の死者数だが、新聞には「数万人」「10万人」「数十万人」と未だに出るが、実際は「約60人」。死者の内訳は、運転員と消防士が3カ月以内に急性被爆で28人が死亡。小児が甲状腺がんで9人から15人死亡。幅があるのは本当に甲状腺がんでの死亡かどうかが判明しないためだ。それに原発の運転員と消防士で20年経って亡くなった人が15人。数字の多い方を合わせると「58人」だ。
色々なところで死者数を質問すると、0の1つか2つ多い答えが返ってくる。テレビなどで依然としてそういう数字の報道がなされるからだ。25年前にチェルノブイリ事故が起きたが、当時の新聞には「ソ連政府は実体を隠している。実際の死者は数万人だ」と出た。語り継がれて「チェルノブイリ事故の死者は数万人だ」といわれる。
ウクライナ政府自身も「こういう小さな死者ではない」と時々言う。何故言うか。当時、ソ連では原発事故の被爆者は、被爆手帳をもらい、手厚い医療保護、年金をもらえた。ところが、事故の5年後にソ連政府が崩壊し、ウクライナにはやっかいな原子力発電所だけが残されたが、経済が破綻し、海外から医療援助等を仰がないとやっていけない情況が生じた。そのためにウクライナ政府は、死者の数、病気になった人の数をかなり過大に報じた。現地情報なので、知らない人はその多い数字を信じ、テレビでも新聞でも報道する。それが再三繰り返され、多め多めの数字が出てきた。
◆チェルノブイリ事故4000人の子どもが被爆で甲状腺がんに
ただし良性腫瘍的がんのため死者数は少数にとどまった
日本の子どもは海草食べ沃素を甲状腺に貯蓄し放射性沃素は吸収しにくい
チェルノブイリ事故での甲状腺がんによる死亡児童は9人から15人と少ないが、4000人が甲状腺がんになったのは事実だ。何故なるのか。事故で放射性沃素が大量に放出された。沃素は甲状腺ホルモンを造るのに必要で、とくに成長期の子供は沃素を甲状腺に蓄積。組織が放射線でダメージを受けやすい。とくに子供はなりやすく、甲状腺がんになる。
日本の場合は食生活の違いで、海草類、とくに昆布などに沃素が多く含まれ、たくさん食べて事前に甲状腺に蓄えているので、放射性沃素を吸収しにくい。日本で事故が起きた場合はそう深刻にならない。ところが、ウクライナ、ベラルーシ、ソ連の内陸部では子供たちが、日頃、沃素を接種しておらず、それが爆発事故で、放射性沃素を含んだ草を食べた牛からミルクを飲んだりして、放射性沃素が甲状腺に貯まり、4000人の子が甲状腺がんになった。チェルノブイリ事故で初めて、多くの子供たちが実際に甲状腺がんになることが分かったが、死者は非常に少ない。これは何故か。専門家の話では「このがんは非常に特殊で良性腫瘍的ながんで、死ぬことはあまりない」からだ。
◆チェルノブイリ事故では、セシウムは2カ月で体外排出、障害は確認されず
死者は放射性沃素による甲状腺がんによるのみ。精神的健康障害に意尽くせ
チェルノブイリ事故が起きたのは1986年の4月26日、今年で25年。私は5年前のチェルノブイリ原子力事故20周年時にチェルノブイリ原子力発電所に行き「ああここまでのものか」と分かった。日本の原子力発電所では、東京電力を含め、中部、東北、北海道、九州、やっぱり社員をチェルノブイリの研修に送り出しておくべきだった、と私は思った。原子力発電所の事故は一度起きると、出口がない。広範囲なので非常にやっかい。死者数は少なくとも、直径30キロ圏内は全く人が入れない状態が続いている。
事故現場以外での放射線障害、住民の影響だが、死者は放射性沃素による甲状腺がんによる人たちだ。日本で放出されている放射性物質は、放射性沃素、沃素131、セシウム137だ。チェルノブイリの場合、放射線医学の専門家の方々が調べても、セシウムによる障害は確認されなかった。セシウムは寿命が長く半減期は30年。「放射性沃素に比べるとやっかいだ」が、セシウムによる放射線障害で起きた病気はないそうだ。何故か、体に入り甲状腺のように特定カ所に留まらず、体にだいたい均一に分布し2カ月後には排出される。「生物学的半減期」というが、セシウムによる障害はそんなに恐れなくてもよい。
◆放射性沃素は、要注意だが、半減期が8日、時間とともに消えてゆく
セシウムは残るが、病気になりにくく、健康を心配しすぎないように
健康障害はほとんどがノイローゼによるもの
福島の場合は長い寿命のモノはそれほど出ていないので、放射性沃素に注意を要する。ただし半減期は8日間ぐらいなので、時間とともに消える。セシウムは残るが、病気にはなりにくいので、そんなに健康に心配することはない。
ウクライナでの医療活動者は「ウクライナでは現に健康障害を訴え続けてきた人々がたくさんいるが、ほとんどが精神的なノイローゼによるものだ」と言う。放射線を浴びたので「自分はがんになるのでは」と思い続けることで、返って健康を損ない、アルコールに依存して健康障害をしていく。
一番大事なのは、チェルノブイリの例に学ぶならば、健康への障害、精神的健康の障害、これに最も配慮すべきで、十分な説明が必要だ、といわれている。
◆放射線浴びてのがんでの死亡予測数は4000人。95歳までにと条件付
ウクライナ(旧ソ連)の消防士防護服を着ていれば、死者は急減した
以上の事実は専門家が調べた数字だ。WHO(世界保健機構)、IAEA(国際原子力機関)、FAO(世界食料計画),UNEP(国連環境計画)など国連8機関が参加。政府はロシア、ウクライナ、ベラルーシの3カ国共同調査の結果だ。事故後20年の期間に共同調査を行い、先ほど申し上げた数字が出た。
チェルノブイリ事故では放射線を浴びたので、年数が経ち、晩発生障害で20年、25年経って「放射線を浴びた人はがんで亡くなるはずだ」といわれた。「今後4000人が、白血病ないし、固形のがん、つまり肺ガンだとか、胃ガンだとか、脳腫瘍だとかそういう形で4000人が死亡する」と推定している。推計は「被爆した人たちが今後95歳まで生きるとしたら」という前提。ウクライナ人の平均寿命ははるかに短いので、条件の有無ではまるで違ってくる。
◆ウラン、ストロンチウムが大気に出れば大事故に
沃素とセシウムが多いのは気化しやすく水に溶けやすい性質故
大気中に放出された放射性物質では、沃素131とセシウム137が多い。原子炉中でできる放射性物質はもっと多いが、チェルノブイリの場合も福島事故の場合でも、沃素とセシウムが何故多いのかというと「沸点も融点も低いから、事故時に外部に出やすい」からだ。沃素は184度で気体になる。セシウムは658度で気体になる。ウランは4000度を超えないとガス化しない。しかも沃素やセシウムは水に溶けやすい。それ故、事故が起きてちょっとした燃料の破損があり、最初に出てくるのが沃素とセシウム。ストロンチウムも有名な放射能の物質だが、気体になるのは1400度なのでなかなか出てこない。このウラン、ストロンチウムが環境中にばら撒かれると「相当な大事故」だ。
◆ウラン235が核分裂し膨大なエネルギーを生み出す
アインシュタインの法則「質量がエネルギーに変わる」
沃素131やセシウム137が、原子炉の中で何故生じるかだが、元は燃料に使うウランだ。ウランは核分裂する。そのうちウラン238はたくさんあるが、ごくごく少ないウラン235の方が核分裂をして燃料になる放射性物質だ。ウラン235が核分裂し、その結果、生じるのが核分裂生成物のセシウム137や沃素131だ。あとストロンチウム90なども出る。
こうした核分裂成生物はウランの原子核が割れたものだが、原子核が割れる場合、大きなお皿みたいなものをイメージし、そこに中性子という石が当たる。すると原子核の場合は大体2つに割れる。真二つに割れるのではなくて、統計的に集めてみると、大体130の辺りと90の辺りに山ができるような割れ方をする。残りにも小さな破片がたくさんできるが、その小さな破片を全部拾い集めても、元のものにはちょっと足りない。そのちょっと足りないものが、アインシュタインの有名な「E=MC2乗」という法則で、「質量がエネルギーに変わる」。微量なものが失われるわけだが、膨大なエネルギーを生み出す。
◆放射性物質は放射線の出方少なく、ウラン燃料は手で触れても平気
しかし、原子炉中の核分裂で、放射能の強い核分裂生成物となり危険に
核分裂生成物のうち、この大きなモノは比較的安定だが、寿命の短いモノが不安定で放射線を出し危険だ。原爆で「死の灰」という言葉を良く使うが、この核分裂生成物は「死の灰」だ。正体は核分裂生成物。外に出るとやっかいだ。
そこでこの核分裂生成物と放射性物質との違いだが、ウランは放射性物質で放射線を出すが、出方が少ない。ウラン燃料を手で触っても平気だ。ウラン燃料を原子炉に入れる前のモノは、入れて運転をすると、原子炉の中でウランの原子核が割れ、放射能の強い核分裂生成物がたくさんできやっかいだ。事故時にはこの中のやっかいなモノが外に飛び出し環境汚染が起きる。
ところで、原爆と原発はイメージが近い。原発が嫌われる理由は「原爆と同じじゃないか」と思われるためだが、原爆のエネルギー構成は「爆風と衝撃波がエネルギーの50%」「熱線が35%」。それ故、建物を破壊したり、人を殺したりするのは主に原爆による爆風と熱だ。
原爆では放射能が出る。広島、長崎の原爆で多数が放射線被害を受けたが、原爆は放射線で人にダメージを与えるのが目的ではない。原爆は大量の爆風と熱を出す、その猛烈なエネルギーを出すために核分裂反応を使う。原爆の放射能は副次的で、ましてや原発、原子力発電は原爆とは似て非なるものだ。
◆自然の放射能汚染が日本より高い国でも、健康被害はない。
福島事故での放射能汚染をびっくりするな。
健康への影響だが、放射能B放射線は非常に嫌われることが多いが、カリウム40という物質は食品中に多く、人は1年間に0・2ミリシーベルトを摂取している。多い食品が米、牛肉、わかめ、牛乳、干し椎茸、何故か多いか。ビール、パン、いずれもカリウム40が入っている。0・24ミリシーベルトですので、少ないとは言えない量だが、食べている。被爆だと途端にびっくりするが、実際は食べているから、これぐらいの量だと恐れるには足りない。
地域によっては自然環境の放射線レベルはまるで違う。日本は非常に少ない。ラムサール条約にあるこの湿地帯だが自然の放射能が多い。インドの高原も、中国のこの場所も多い。ブラジルのここは自然の放射能の多さで有名だ。生活している人の健康障害の有無を調査・研究したところ、全く何もない。差もない結果が出た。福島事故のように少々の放射能が漏れたからといってびっくりしないこと。警戒し過ぎて精神的ストレスを抱え込む事の方が障害は多い。
(注 シーベルトは放射線を浴びた際の人体への影響を表す単位。放射性物質によって異なる係数を用いる。1シーベルト=1000ミリシーベルト=1000000マイクロシーベルト。人は世界平均で1年間に2・4ミリシーベルト=2400マイクロシーベルトの放射能を浴びているが、人間の細胞には、放射線で傷つけられたDNAを回復させる機能が備わっており「受ける放射線量が100ミリシーベルト以下ならば、ほとんど修復される」という。また100ミリシーベルトの放射線を浴びた場合、がんが原因で死亡するリスクは最大約0・5%上昇するが、「たばこや飲酒による発がんリスクは、被爆と比べものにならないほど高い」と東大医学部付属病院の中川恵一準教授は指摘。)
◆プルトニウムはα線の貫通力弱く、紙封筒入れでポケットなら平気
γ線は電磁波と書くが、鉛の板でも貫く、貫通力が強く人体に危険
放射線はα(アルファー)線、β(ベータ)線、γ(ガンマー)線とあるが、今回の放射能汚染の場合「シーベルト」という単位で発表した。α線、β線、γ線それぞれが、人間の体に与える影響度が少しずつ違うため、それぞれ異なる係数を使い掛け算したα線、β線、γ線の総和を「シーベルト」の値で出た。
α線の正体はヘリウムの原子核でモノを貫通する力が弱い。プルトニウムはα線を出すが、貫通力が弱いので、紙封筒にプルトニウムを入れてポケットに入れても被爆はしない。ところがβ線はもう少し貫通力が増してくる。γ線は電磁波と書いているが、光と同じだが鉛の板は抜いて行く。原発建屋の天井が水素ガス爆発で飛んだが、γ線があると、上に出てヘリコプターの底など平気で突き抜けて人間の体に当たるので、自衛隊はもの凄く嫌った。
◆至言に満ちた寺田寅彦の言葉
今回の事故で非常に有名になった言葉に、寺田寅彦さんの「正しく怖がることの難しさ」とある。寺田先生は良いことを言っている。「ものを怖がらなさ過ぎたり、怖がり過ぎたりするのは易しいが、正当に怖がることは中々難しいことだ」と。今回の放射能事故がちょうど当てはまる。私はあまり放射能を浴びても何とも思わないが、怖がらなさ過ぎたりする方もまずい。逆にノイローゼになる。「赤ちゃんに飲ませる水が放射性沃素で汚染されている」と大騒ぎしたり、恐がり過ぎたりも良くない。先生はその難しさを言っている。(拍手)
(終わり)
(ここからは質疑応答)
質問: 今回の講演テーマに「福島第1原子力発電所の事故処理と日本の原子
力政策」とあるが、それを聞きたい?
◆来夏には原発全基停止の恐れも 太陽光発電の稼働率はわずか10数%
答え: 日本の原子力発電所は54基ある。今回の津波を受けた関係で、その内の福島第1原子力発電所、第2原子力発電所、東北電力の女川発電所、茨城にある日本原子力発電の発電所と合計15の発電所の原子炉が停まった。原子力発電所は健全な発電所でも13カ月すると必ず止めて定期点検を行うが、点検で停止中の発電所もかなりある。
今回の事故で運転再開を地元が中々認めてくれない。地元の同意が無いと原子力発電所は再稼働しにくい。来夏には再稼働できなければ全基停まってしまう。極端な話だが、いま置きかねない状況だ。菅首相が「原子力エネルギー総合計画を見直す」とか、新規増設分を2030年までに17基の原子力発電所を造る予定だったが、「白紙撤回」など、色々なことを述べている。穴埋めを「自然エネルギー、再生可能エネルギーでやっていこう」と述べたが、発電力に限界があり簡単ではない。
例えば太陽光発電はいま脚光を浴びている。四国電力が「太陽光発電はどれくらいの発電力があるか」を検討しようと、四国の坂出に実験装置を作ったが、太陽光発電の平均稼働率は10数パーセントだ。瀬戸内で雨が非常に少なく晴天率の高い所ですら、」だ。「福島第1原子力発電所所がダメになったので、半径30キロの所を全部太陽光の発電プラントに変えたら」という人もいるが、天気が悪くとてもそこまでいかない。
◆原発政策の全面変更は慎重に。中国は原発大増発、中東石油国は原発新設
アメリカは30年ぶりに原発新設の矢先。日本での原発新設は絶対無理か
原発で電力の80%を賄うフランス。日本は原発の稼働効率を高めよ
この事故処理で原子力発電をどう位置づけるかが大きな分かれ道だ。エネルギーは、国の根幹を成すもので、これで怖がって「羮(あつもの)に懲りて、膾(なます)を吹く」と引っ込むのではなく、「大事なものだからより安全に使っていこう」と、舵をきるのとではまるで違ってくる。
人口はますます増え、まもなく70億人になる。人口増はエネルギーがより必要になるので、世界はエネルギー確保に意を砕いている。中国はもの凄い量の原子力発電所を造ろうとしている。中東の産油国でさえ、原子力発電所を造ろうとしている。原子力発電所の発電力は大きい。
ところが日本の場合、原発の新規立地は無理だ。何故か、1979年のスリーマイル島の世界の原子力発電で初の大事故が起きた。アメリカはその後一台も新しい原子力発電所を造れていない。ソ連は1986年のチェルノブイリ原発事故を起こした。その後、ロシアは新しい原子力発電所を造れていない。日本は「レベル7といっても意味が違うのだ」と言っても、事故を起こしてしまって新規立地は絶対無理だ。
すべきことは「既存の原発の運転稼働率を高める」ことだ。アメリカは事故後30年経って「原子力をもっと有効に使っていこう」(ブッシュ大統領)と言いだし、その流れをオバマ大統領が汲み、「原子力ルネッサンス」の形で、スリーマイル島原発事故以来、初めての原子力発電所の新設に持っていこうとした。矢先にこの事故が起きた。フランスは原子力発電重視だ。80%ぐらいの電気を原子力で賄っている。
◆事故処理は10年がかりの長期化へ 建屋にカバーを掛ける案
福島の原子力発電所の事故処理だが、政府の工程表では「6カ月から9カ月で一度冷温停止に持っていく」と言っているが難しい。何故か、「1カ所でも前へ進めなければ、それ以上進めない」からだ。今は汚染水が邪魔している。「問題が解決しないと前へ進めず」。簡単には行かない。
旧ソ連と違って日本や欧米諸国がとれる方法は、人命を尊重した注意深い方法でしか事故処理ができない。冷温停止を実現し、発電所に全部カバーを架けるなど年単位となる。福島第1原発では四角く見えて立つ原発建屋がある。高さ50メートル。そこにシートを掛ける。絵で描くと簡単だが容易ではない。帆掛け船でも一片50メートルの布があれば、もの凄い力がかかる。それをすっぽり被せようというのは至難の業だ。
◆チェルノブイリ事故ではコンクリと鉄板で覆われた石棺に
チェルノブイリの原子力発電所が「石棺」というが、コンクリートを流し込んで固めたと言うのは、誤解を招く表現だ。コンクリートを流し込んだのは建て屋が爆発でぼろぼろに壊れ、崩れる可能性がある部屋にコンクリートをどんどん流しこんで壁を固めた。だが穴が開いていて、当然、放射能が漏れるので鉄板で覆った。石棺というよりは鉄棺だ。
日本の原子力発電所よりは大きく、煙突は抜きにしても、天井部分から下まで100メートルもある。巨大な軍艦のようだ。急ごしらえで、鉄板の衝立で覆ったので一杯隙間がある。天井の隙間を合わせると100平方メートル、もっと広いとも言われている。雨が降ると全部、流れ込み、中に一杯ある放射性物質を溶かし、地下水に流れ込んでいる。汚染水が今の日本の福島の状況と似ている。
石棺は25年経っているので、急ごしらえの鉄板の衝立が歪んできて建物が倒壊する恐れがあり、世界への再汚染が懸念される。それを防ぐために、棺全体を覆うアーチ型のドームを造る計画だ。サイド200メートル、高さ百数十メートルの大構築物で、現地にレールを敷いて運び、すっぽり覆う計画だ。
私が5年前に行ったときには「2年後には、日本が60億円を出すほか、世界から多くの額を集め、2年後に完成するのだ」と言われたが、5年経った今、調べてみると資金不足で完成は数年先だと言っている。福島の場合は近代的な覆いを造ろうとしている。チェルノブイリの場合は、そのアーチ型の建物は人類が造る世界でも最大の構築物、人工物になる。放射性物質の寿命を考えるとピラミッド並の寿命を求められる。
質問: 福島の場合は、最終的には廃炉処分にするのですか。
◆福島第1原子力発電所の123号基は廃止へ 4、5号基は使用可
福島第2原子力発電所は停止中、復活可でも廃炉へか
答え: 福島の場合は1、2、3、4がダメで、ただ4号基は定期検査で炉の中に燃料が無かった。極端なことを言うと、1、2、3号基は廃炉だ。ただ、4号基は頑張れば、炉の方は傷んでないはずで使えるはずだ。5号基は大丈夫だ。また福島第2原子力発電所の方だが、第2原発の炉は新しい。あそこも今は停まっているが、一時、外部電源喪失を起こして、冷や冷やする局面があったが、そんなに傷んでいないので復活できる。ところが地元の反対で廃炉にせざるを得ない状況だ。
◆原子力損害賠償法を無視した政府のやり方
原子力発電の海外事業展開で賠償金を作る
今の政権のやり方は「東京電力が憎くて、憎くてたまらん」という人がいて不思議だ。「東京電力は補償しろ」と。原子力損害賠償法があり、原子力事故が起きた場合は膨大な賠償支払いが生じる。その中に「事故が起きた場合、国は1つの原子力発電所につき、政府は1200億円まで出す」とある。これでは全然足りないが「第1発電所に一個1200億円出す。後は電気事業者、東電がやれ」と法律に書かれている。その中に特例事項がある。調べると「巨大な天変地災が起きた場合はこの限りに非ず」で「東京電力の賠償金も免責して国が全部面倒を見る」とある。これを適用すべきかどうか、国会で審議すべきだが、枝野官房長官は審議する気が無くいきなり切り捨てた。やり方が無茶苦茶だ。
本当に東電が賠償しようとするならば、電気代に上乗せするしかない。かかった費用を電気代に上乗せするのは法律で認められている。東電が被災者の方々に賠償するならばこれしかない。一種の税金だ。
国が面倒見るならば、首都圏の4000万の人々以外に、1億3000万人の負担でもって、広く薄くみんなが負担して借金に充てる。国民、納税者が負担する。一番良い方法は、東電にお金を貸し出して賠償金に充てれば良い。東電は事故が起きる前に、海外で原子力事業を展開しようとした。ベトナムとか中東に原子力発電所を造り、それで儲けて金をどんどん入れ、賠償に充てればよい。しかし、そういうことができないくらいにリストラ、資産の売却となる。何でやっているのか、不思議でしょうがない。東電憎しというか、やり方が無茶苦茶です。
◆東海地震単独では起きず 浜岡原発は急停止で地元県市町が大混乱
浜岡原子力発電所に対しても、東海地震の震源域の真上にあるので、非常に危険だが、明日あさって、すぐに地震が起きるわけではない。もっとゆるやかな止め方があった。突然「要請という事実上の命令」で止めさせた。地元の御前崎市も、吉田町も大混乱だ。
浜岡の場合はもっと上手な停め方があった。東海地震、東南海地震、それから南海地震と「3つの地震の連動」という事が前に言われている。逆に今の地震学者の間では「東海地震単独では地震が起こらない」と言われている。石橋克彦神戸大名誉教授が昔、今から30年前、「東海地震が起きていないので、いつ起きても不思議ではない。」と言われた。当時はそういう知見で仕方がなかったのだが、地震研究が進むに従って「東海地震は単独で起きた例はない」ことが判ってきた。「起きるとすれば、東南海、南海地震と連動して起きる」。そういうパターンだ。
1945年を挟んで、ちょうど終戦前後に東南海地震、南海地震が起きた。東海地震だけは起きなかった。石橋先生は「それが起きていない東海地震がいつ起きても不思議ではない」といったのだが、今の知見だと一緒に起きても、単独で起きることはない。次ぎにいつ起きるかとなると、1945年に、例えば90年足すとすれば、2035年。次は一緒に起きるので、東海地震は2035年前後と見ていい。ですから、そんなに大あわてをして停める必要はない。夏をやり過ごしてゆっくり停めて行く。地元の人に十分説明して停めていく。そういうことはありえた。突然では発電所が立地している地元の市町村、県が大混乱だ。
質問: 事故から2カ月経って、放射性沃素131の値は低くなっているか。
答え: どんどん低くなっている。ただ、それは放射性沃素131の数値が改善されているということで、沃素とは別のアクションもある。
質問: ということは、今後はセシウムの問題か。
答え: そうです。セシウムが半減期は30年ぐらい。チェルノブイリ事故の研究を通じてみると「セシウムでは人体の障害が起きていない」ことが確かめられた。やっかいな物質だが、そんなに神経質になることはない。
質問: 皆さん一番聞きたいところは、政府の「安全宣言」がどのくらいの期間で出るかだ。出る確率はほとんどないのか。
◆3つの原子炉が冷温停止になったときに「安全宣言」。メドは1年後
「安全宣言」第2段は、覆いで原子炉建屋を覆った時
答え: 今、政府が恐れているのは、再度の水素爆発だ。水素爆発は核爆発と関係ないが、爆発が起これば汚染物質が大量に飛散するので一番、警戒している。ウランを入れた燃料管は、長さが4メートルぐらいある。ジルカロイというジルコニウムなどの合金で、炉によって違うが、8×8とか9×9並んでいる。その1つが燃料集合体だ。その燃料集合体がいくつも炉の中にあり、ジルカロイという被覆管に包まれている。高温で水が無くなれば1000度ぐらいいく。すると水蒸気とジルカロイが化学反応を起こし水素が出る。水素は軽いから上に貯まり、地震で揺られると金属が摩擦して爆発した。その可能性があり、水で冷やしている。
でも、水を入れても水位が上がらないとか様々な現象が起き、いつになったら収まるのか解らないが、爆発が起きないと確実に言えるのは冷温停止に行ったときだ。ですから政府が仮に「安全宣言」を出すならば、3つの炉が確実に冷温停止に到達したときだ。それから次の「安全宣言」は、覆いで原子炉建屋を覆ったときに安全宣言となる。
質問: どのくらいかかるのか。
答え: 1つの事を越えられないと、次ぎに進められないので1年はかかる。来年の正月はまだだ。炉が3つ壊れている。燃料プールが1つ壊れており、まだまだだ。福島県民の人達には気の毒だが、汚染に対してそんなに神経質になってはいけない。
国は県単位で出荷制限だとか愚かなことをやった。沃素は半減期が8日だ。専門家は「汚染された牛乳は捨てることはない。バターやチーズに変えればよい」と。そうすれば放射性は無くなり、食べられる。
野菜も捨てたが、洗えばそれほど問題はない。それでも嫌だったら野菜を野菜ジュースに変えれば良かった。野菜ジュースに変えれば保存が利く。放射性沃素は消えてしまう。そうできたのに政府は「県単位の出荷停止だ。廃棄だ」と風評被害が随分起きた。風評被害の大部分は政府の対応の拙さだ。そこまで「東電に賠償しろ」というのはおかしい。
質問: 地震を起こさない方法はないか。(笑い)
答え: まったくないわけではない。地震には2タイプある。阪神大震災のように地面の活断層が動いて大地震になる。それから今回のようにプレート境界、海から押してくるプレートが大陸の下に潜り込んで、プレートとプレートとの間の歪みが耐えられなくなって跳ね返ってくる。これは海溝型地震とも言う。面積が大きく大規模でマグニチュード9の今回のような大地震が起きる。プレート境界の地震は「ゆっくり地震」とかいわれるのがある。一度にドンと跳ね返らずゆっくりゆっくり行く。地殻変動が起きるが地震動につながらない。何らかの形で「ゆっくり地震」が地域により起きる場所があり、人工的に解明できれば、おっしゃることは可能だが、今の技術ではまるでダメだ。
質問: 水素爆発で放射能拡散の話があったのですが、放射能と放射線の違いがありましたが、放射線は消えるのですか。
答え: 放射線であるα線が何故人体に障害を与えるかというと、スピードをもって当たるから、人間のDNAを切ってしまう。
質問: 甲状腺に沃素が蓄積されるといわれたが、放射能が蓄積されると放射線になるのか。放射性物質が中に入ってしまうのか。
答え:放射能が蓄積されて放射性物質が中に入った状態で、放射線を体の中に与え続ける。内部被爆だ。ふつう放射線は外から来るので外部被爆と言う。だから放射性物質を飲み込んでしまうとやっかいだ。
質問: 一番気になったのは、浴びた放射線は、その後また次の人へと、どんどん放出されていかないのですか。
答え: 例えば、α線も放射線でしょ。一番これは分かりすいが、ヘリウムの原子核だから、中性子2つ、陽子2つ、でかいからあまり飛べない。で当たるとエネルギーを失うから、失ったらブチ切る力がなくなるので、モノは残っても害は無い。また、レーザーは電子だ。電子の場合もエネルギーを持って放出されて飛び、人間のDNAを切ってしまう障害を与える。
質問: ということはどっかに当たらない限り消えないのか。
答え: いやα線、β線の場合は、空気に当たりふつうの粒子になる。単なる原子核の構成要素となるが、γ線の場合は光と同じだからビッと飛ぶ。
質問: 人に当たるとどうなるか。どんどん人に当たるか。
答え: だんだんエネルギーを失いますから。永遠に跳び続けるわけではない。
(了)
次回の第17回JaLSA教育・文化懇話会は7月15日(金)、谷内正太郎元外務事務次官を迎えて行う予定だ。
[JaLSAニュース]2011.5.30
薬物銃器対策係との連携を
最近留学生が薬物事件などに巻き込まれるケースが増えています。
日本語学校の皆様は現在学生の交通安全のために各警察署の交通課などと連絡を取り合い説明会などを開いていることと思います。
同様に刑事課には薬物銃器対策係がありますので、是非各地域の警察署の刑事課・薬物銃器対策係に連絡をとり、説明会などを開くのがいいのではないかと思います。
[JaLSAニュース]2011.5.26
賛助会員CHSI日本様からの情報提供です。
●中国政府教育部公認の高等教育機関2,429校の全リスト
去る4月29日、中国の高等教育機関のうち、中国政府教育部が「高等学歴教育のための正式な学生募集資格がある」と認めた学校のリストの2011年版が発表されました。計2,429校分のリストを掲載しました。
つい先日もある地方入国管理局から「卒業証書を提出されたが、その学校は正式に教育部に認められた学校なのか」という問い合わせがありました。折しも入手したばかりのリストにはその学校は入っておらず、念のために学生をオンライン認証にかけてみましたがやはり認証はできませんでした。
中国では学生が正式な高等教育機関であると思っていた学校が実は教育部公認校ではなかったというような事例も多く、教育部では学生にもこうしたリストでしっかりと確認するように指導しています。
記事掲載頁のURLは以下となります。
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中国政府教育部公認の高等教育機関
[ 全日制大学(本科) 820校 ] http://www.chsi.jp/cn_news/2011/05/2011_517_1.php
[ 専科大学 1,228校 ] http://www.chsi.jp/cn_news/2011/05/2011_517_2.php
[ 独立学院 311校 ] http://www.chsi.jp/cn_news/2011/05/2011_517_3.php
[ 分校 70校 ] http://www.chsi.jp/cn_news/2011/05/2011_517_4.php
株式会社メリットファイブ
中国高等教育学生信息網 日本代表(CHSI日本)
[JaLSA提言]2011.5.20
《留学生通信23》
《東日本大震災の海外支援の輪に見る親日の長い歴史》
1章、 発信力の不足と迅速な広報体制強化の必要性
1、風評被害という二次被害の怖さ
東日本大震災は、死者・行方不明者約2万5000人(5月19日現在)を超える大災害となり、東京電力福島第1原子力発電所事故の発生に端を発する風評被害は、単に農産物や魚介類にとどまらず、観光客の激減など様々な二次被害を多方面に及ぼした。海外からの留学生を受け入れている大学や日本語学校も例外ではない。秋田にある全寮制の国際教養大学(中島嶺雄学長)では、「留学生の8割」が、本国政府の緊急避難命令や母国の両親の呼びかけで、それぞれの国に一時帰国したという。全国各地の日本語学校も例外ではなく、全国日本語学校連合会(JaLSA)が所属する日本語学校を対象に、発生約1月後に行った調査結果では、「留学生の4割弱が一時帰国」という結果が出たが、現在はその多くの学生が日本に戻ってきてもいる。
2、政府広報体制の貧弱さ克復を
中島学長は、この風評被害のすさまじさについて、CNNやBBCを通じて流される日本の震災被害や放射能汚染被害についての映像がもたらす影響力の強さに比して、日本政府やマスコミの広報体制の貧弱さについて指摘した。
「今回の大震災でさらけ出された国際的に最も致命的な問題の一つには、わが国広報体制の脆弱さと、その結果としての発信力不足であった。……わが国にとり、日頃から、敏速で正確な広報体制を確立し、そのための人材を養成しておくことが急務であるということを、今回の大震災は改めて教えてくれた。」(産経新聞4月22日付け「正論」)
と、発信力の不足と広報体制の充実の必要性を警告された。政府は被害の模様を正確に伝えるだけではなく、どこまで安全か、どこが安全かの安全情報や復旧情報も大量に流さないと、日本は風評被害に押し流されるだけだ。
この思いは、日本語学校関係者だけではなく、被害にあった東北・関東各地の農業・漁業従事関係者も共通する思いだろう。
2章、世界中から大震災に支援の手、報われた日本のODA実績
1、 世界156カ国・地域と41国際機関から支援申し出
23カ国の国・地域の緊急援助隊と医療支援チーム派遣
ところで大震災は悲観的なことばかりではない。逆に励まされ自信を得た経験も多い。今回の東日本大震災に寄せられた海外からの物心両面から成る支援の世界的広がりは特筆して良いことだ。先の大戦の反省を踏まえて平和外交に徹してきた成果であり、長期に渡り、巨額でかつきめ細かい政府開発援助(ODA)を誠実に実行してきた日本に対する畏敬と信頼の高まりを示した。遡れば、明治維新以来、中国・インドなどが台頭してくるまでアジア民族の代表として、一人、世界の外交場裏で虐げられた民族独立のために気を吐いてきた日本に対する尊敬の念が背後に感じられた。
2、 今も実績ベースで世界NO2、政府の開発援助(ODA)総額
ちなみに、日本は、ODAについては、最盛期の2000年前後には、国家予算歳出の1%、毎年約1兆円前後の巨額を東南アジアなどアジア諸国中心に世界の開発途上国に投下してきた。最近は財政事情の悪化で減ってきており、平成21年(2009年)度は総額6295億円と下がってきている。平成19年(2007年)度でみると、ピーク時(1997年)から見て38%も減少した。かつての「援助国1位の座」から米英仏独に次いで「5位に後退」しているが、実績ベースでは今も堂々の2位だ。実績で2位ということは、日本人が一端約束をしたことは、きちんと守って誠実に実行してきた証である。そのことを、一番よく知っているのは、日本人ではなくて、日本援助を受けた相手国民である。
とくに対中円借款事業は継続して行われ、昭和55年(1980年)4月に事業が開始されてから、平成19年(2007年)3月末までの間に、計363件、累計総額3兆3134億円にのぼった。この金額は、円借款事業を行っている対象100カ国中、第2位で、現在は内陸部の環境保護や人材育成の分野に重点が置かれている。しかし、こと中国に関しては、戦後補償問題が長いこと絡んでいたために、中国政府関係者は知っていても、ODAの趣旨が、中国国民にあまりよく伝わっていない傾向がある。
3、ベトナムでは、幼稚園生から管理者まで国挙げて日本支援の輪
日本外務省、JAICAら政府・民間関係者のODA努力実る
一方、ベトナムなど他の東南アジア諸国はやはり少し違うようだ。今回、日本で学ぶに際し、「学ぶこと自体の有益性と意義、並びに広く放射線被害に対する安全性をPR」するために5月16日からホーチミン市を訪れた全国日本語学校連合会(JaLSA)の荒木幹光理事長、水田穣作理事、仲田俊一理事ら一行は、現地の政府・民間を含めた日本語学校関係者から、東日本大震災に対するベトナム国民の義捐金を募る涙ぐましい活動ぶりを聞いて、ベトナム国民の努力と、長いことODA活動を担ってきたわが国外務省、(独)国際協力機構(JICA)など関係機関の活動に対して感謝の念を覚えたという。
それによると、ホーチミン市では、今回の東日本大震災では、現地に義捐金を送るために、幼稚園と小学校では、1日の朝ご飯分を節約して義捐金を集め、大人は1日分の給料、管理者は3日分の給料を節約して、それぞれ義捐金を集めたという。ハノイ市でもほぼ同様の義捐金集めが行われたようだ。こうして、義捐金を拠出した人々には国から証明書が発行されたと言うから、国を挙げての日本の被災者支援が行われたようだ。
荒木理事長は「ベトナムの人々は『ODAでは本当に長いことお世話になり、そのお陰で今日のベトナムがある。今回は、われわれが日本に報いる番です』と一様に感謝された」と語る。
4、在日米軍は「トモダチ作戦」で迅速な大規模支援
ところで海外からのお見舞いと支援の輪だが、外務省が把握したところによれば、5月16日現在、世界156カ国・地域及び41国際機関から支援の申し出があり、うち23カ国の国・地域から緊急援助隊と医療支援チームの派遣があった。23カ国は・英・米・独・仏・伊・蘭・露・中・台・韓・豪・南ア・インド・モンゴル・イスラエル・ヨルダン・シンガポール・インドネシア・スリランカ・タイ・トルコ・ニュ−ジーラン・メキシコ・イスラエル・スイス。この他、国連人道問題調整部(UNOCHA),国際原子力機関(JAEA)専門家チーム及び国連世界食料計画(WFP)が日本に到着、活動を行ってきている。
また、在日米軍は、人員20、000名以上、艦船約20隻、航空機約160機を投入した。その大規模な活動は「トモダチ作戦」として実施され、物資約280トン、貨物3100トンの輸送を実施した。そのほか、16カ国43のNGO団体が来日し、各地で支援活動を行った。
5、物資・義捐金は108カ国151億円以上、
日赤に寄せられた海外義捐金総額は168億円
日本国内の義捐金総額は220万件・1925億円
ちなみに、各国から寄せられた物資・義捐金は、108カ国合計151億円以上に達した。国名は上記以外に香港・タイ・カナダ・ウクライナ・キルギス・コロンビア・ウズベキスタン・イラン・EU・デンマーク・リトアニア・マレーシア・フィリピン・パキスタン・タンザニア・カザフスタン・ラオス・ブルネイ・東チモール・アフガニスタン・ルワンダ・ミャンマー・カンボジア・ケニア・カタールなど世界のあらゆる国々に及んでいる。とくに中東の産油国・カタールは1億ドル(82億円)の資金支援を表明し、一カ国としてはずば抜けて多額の資金支援だった。
海外からの支援は、今以て、日本治世時代を懐かしむ世代が多い台湾が、政府・民間合わせて150億円と圧倒的に多かった。
一方、日本赤十字社に寄せられた海外救援金は、世界30以上の赤十字社・赤新月社を通じて寄せられ、その合計額は5月12日現在で世界186カ国、合計168億円に達した。実に全世界から支援の手が差し伸べられたことになる。
また、日本赤十字社や中央共同募金などで「義捐金」として受け付けた国内の義捐金額は、5月16日現在で220万5673件、計1925億円以上に達し、宮城・福島・茨城など被災14道県の義捐金配分委員会に合計707億6900万円の義捐金がすでに送付された。
6、4月16日、国会参議院本会議で海外支援の輪に感謝決議
留学生の多量の一時帰国を出したことは残念だが、ほぼ全世界から災害支援をいただいた事実は、実に感動的でもあり感謝に堪えないことだった。こうした支援に対し、わが国は、4月16日の参議院本会議で「苦難の中で希望のよりどころとなり、復興に立ち向かう勇気を奮い起こし、決意を新たにする大きな糧となった。」と世界中の支援国・地域・機関と人々に対し感謝の決議を行った。
3章、 独立を保った明治維新以来の日本に尊敬と同情の念
1、日露戦争勝利を素直に喜んだアジアの人々
かくも大きな支援の輪が広がった背景には、明治維新以来、西洋のアジア・アフリカ・中南米の植民地化の歴史の流れに抗して、アジアで独立を保ち続け、祖国の自衛とアジア解放のために銃をとり、破れはしたが、その後も未曾有の敗戦の痛手を見事に克復し、再びアジア地域を代表する国へと成長を遂げた日本に対する尊敬や同情の念もきっと作用したことだろう。敗戦以来、日本人は過去を切り捨てようとしてきたが、そうした歴史への想起は実に大事なことだ。
日露戦争当時、大国ロシアを苦闘の末に破ったことは、当時、虐げられた全ての国家・民族から大いなる賞賛を浴びた。当時、アジアは日本、タイを除く大半がまだ植民地だった。そうした国々の若者は、日本の勝利を心から歓迎したことは事実だ。わが国の教科書にそうした記載はほとんどないが、当時の世界の新聞がこぞって伝えている。国際法の権威で、東京裁判(極東国際軍事裁判所)で、インド代表判事を務めたラダビノート・パール博士は、「日露戦争で日本が勝利した時、大学生だった博士はカルカッタで日本の勝利を祝い、白人の前でわざと旗行列を行ったと聞いています」とご子息のプロサント・パール氏が語っている。
多くの国民は、あの大東亜戦争ともいわれた太平洋戦争で、戦場に散った200万将兵の英霊と民間人死者100万に達した同胞に想いを馳せながら、国の再建に邁進し、努力を重ねて見事な復興を成し遂げたことを忘れてはならない。もちろん、祖国が戦場となって多数の犠牲者を出した隣国の中国と、日本との併合の結果、一時的にせよ祖国を失った韓国の人々が抱いた、日本に対する糾弾の声には、今なお耳を傾けねばならないが、同時に先の大戦で他のアジアの人々の多くが抱いた見方には、自から異なったものがあったことも、それぞれ忘れてはならない事実だ。
2、A・Aバンドン会議で植民地解放のために戦ったと日本を評価
第2次世界大戦終結50年周年記念「アジア共生の祭典」で
アジア民族に自信を植え付けた日本軍の奮闘を称えるアジア有識者
例えば、終戦間もない昭和30年(1955年)にインドネシアのバンドンで開かれたアジア・アフリカ会議(A・A会議)には、第二次世界大戦後、あるいは大戦中に独立を成し遂げたアジア・アフリカ各国の代表が集まり、進駐軍による占領体制が解けて独立を回復した日本も招かれた。参加したアジア・アフリカの各国代表は、「日本がアジア解放のために戦ったおかげで独立できたのだ。」と異口同音に日本政府代表団(加瀬俊一代表)に深い感謝の意を表明している。
戦後50年を迎えた平成7年(1997年)5月29日、インド、中華民国、インドネシア共和国、パラオ共和国、マレイシア、ミャンマー連邦、タイ王国、ブータン王国、カンボジア王国と9カ国の要人を迎えて武道館で開かれた「アジア共生の祭典」(終戦50周年国民委員会主催)に出席したタイ王国のタナット・コーマン元首相・元外相は、次のように印象深い挨拶をしている。
「50年間を振り返ると先の戦争が残酷なものであったにもかかわらず、善なるものを生みました。あの戦争によって世界の至る所で殖民地支配が打破されました。そしてこれは日本が勇戦してくれたお陰です。多くの新しい独立国が戦火の中から不死鳥のように姿を現しましたが、誰に感謝を捧げるべきかあまりにも明白です。」
決して、日本史や世界史の教科書では見かけない言葉だが、これは心に留めておくべき言葉であり、先の大戦の隠された真実の一面です。
戦争当時、14歳の少年だったマレイシアのマラヤ大学副学長のサイド・フセイン・アラタス博士は、同じ祭典でこう述べられた。
「前の戦争で命を捧げた人々――この事実は大きな意味を持っています。あの犠牲のためにアジアとアフリカという二つの巨大な大陸の人々が解放され、独立を獲得することができました。今、私たちは自信と大きな共感を分かち合いながら、未来を眺めることができます。先の戦争のときにまだ生まれていなかった今日の世代に対して責任を負わせるようなことをしてはなりません。そして戦争を戦った諸国の中から特定の国を取り上げてそこに責任をすべてかぶせるようなことをしてはなりません。……その責任については後世の歴史家の判断に委ねるべきであって、今の私たちが安易に判断してはなりません。……しかし、ここで皆様に申し上げたいことは、日本はアジアの教師であり、そして私達に自信をもつことを教えてくれたのに、日本の国民自身が自信を失いつつあるように見えることです。皆さん、ぜひ自信を取りもどしてください。日本が『心豊かな国』にもう一度なっていただきたいと思います」
アジアの多くの指導者は、戦後50年経っても同じような想いで日本に敬仰の眼差しを注いできた。しかし、「共生の祭典」から16年後の今、多くの日本人は、アラタス博士の言葉にあるように「国民自身が自信を失いつつあるように見える」状態にまで下がっているように見えてならない。
しかし、それでは、先の大戦で祖国とアジア同胞のために一命を捧げた多くの将兵も国民も「何のために一命を捧げたのか」、その意義が損なわれかねない。草場の陰で慟哭の思いに駆られていることだろう。ここは、自信を失っている場合ではなく、もの言えぬ英霊に代わって、あるいは大震災の犠牲者に代わって、この震災復興を見事に成し遂げねばならない。
3、広島市本照寺に刻まれるインド・パール判事の詩
ところで、広島県広島市の本照寺境内には、東京裁判(極東国際軍事裁判)で、少数意見ながら無罪判決を下したラダビノート・パール博士の『追悼詩』が、ベンガル語、英語、日本語の3カ国語で刻まれ、屹立している。
「大亜細亜悲願之碑」と題されて刻まれた詩は、パール博士が昭和28年(1953年)に日本を再訪した時に、「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませぬから」との碑文で有名な広島市の平和記念公園に立つ原爆慰霊碑を訪れた翌日、筆をとって揮毫したものだ。本照寺の現ご住職・竹見義之さん(72歳)は「謝るべきなのか誰か、と慰霊碑の文言に納得がゆかれなかったパール博士に、父で先代の住職・竹見義章が、『それでは今の率直なお気持ちを、詩に託されたらいかがですか』と薦めて、博士がベンガル語で書かれたものです」と来歴を語る。竹見住職は「博士はアメリカの責任はもちろんですが、戦争を防げなかった政治の責任にも思いを託されて、原爆慰霊碑は、本当は国会に置くべきだとのお考えだったようです」とも述べた。
英訳は博士自身がされ、それを秘書役の東京・銀座の「ナイルレストラン」のご主人の故ナイルさんが日本語に訳した。以下に詩文を掲げる。
追悼詩
激動し変転する歴史の流れの中に
道一筋につらなる幾多の人達が
万斛の思を抱いて死んでいった
しかし
大地深く打ち込まれた
悲願は消えない
抑圧されたアジアの解放のため
その厳粛なる誓に
いのち捧げた魂の上に幸あれ
ああ真理よ
あなたは我が心の中に在る
その啓示に従って我は進む
一九五二年十一月五日
ラダビノート・パール
ちなみに、原爆慰霊碑の碑文そのものは、今日では「悲惨な戦争を二度と繰り返さないという人類全体に向けられた誓いの言葉」として解釈がほぼ定着してきたが、パール博士の碑が建てられた本照寺は、米軍の原爆投下で一瞬のうちに崩壊し、当時のご住職の紀野日事さんご一家6人は全員が死亡している。博士の碑は、寺の再建を託された竹見義章さんの時代に本照寺が責任をもって建て、博士の業績を多とする人々の手で、当時、慰霊を兼ねた除幕式が行われたという。歴史を顧みることがない現代にあって、多くの政治家は、靖国神社にお参りしないことをもって平和主義の証として誇りにしているようだが、博士はアジア解放のために亡くなった英霊の行為を常に崇高な気持ちで慰霊している。
4、戦争の惨禍と広島・長崎の原爆禍を克復した日本人の大事な復興精神
その広島原爆による投下当時の軍人・民間時合わせた死者は約9万人から12万人、長崎原爆による死者は約15万人といわれている。原爆投下による実に悲惨な最初の戦争惨禍の例だ。大戦での死去と、大震災での死亡と、死因に差はあっても、祖国と郷土の再建を願いつつ多くの人々が亡くなられたことに違いは無い。惨禍から60数年、広島・長崎の両市は、原爆の悲惨な体験を見事に克復して今日に到っている。
戦後60数年を隔ててわが国を襲った東日本大震災の被害は、福島第1原発の事故という放射能禍の深刻な被害を伴った。このため、東京電力など当事者に対する責任追及の声には絶えないが、東京電力と原子力保安院など関係者の必死の事故処理作業により、放射能汚染被害による死者は幸いにも5月19日現在では、未だ一人も出していない。
こうした戦争惨禍、あるいは震災災害を見事に乗り越えた日本人の復興精神は、今回もまた確実に受け継がれている。その徴候は、大災害でもあわてることなく、実に秩序正しく行動し、我慢を重ねて苦難に耐える東北人の姿にも現れている。世代間を超えた団結力と結束力をもとにした行動力は、東北・関東各地の被災地のそこここに見出されている。被災校支援のために活躍した日本語学校の連携の動きもこうした実例の一環であり、大震災の未曾有の被害を前に、決してひるまず、前に向かって進むことが大事だ。
[JaLSAニュース]2011.5.11
JaLSA賛助会員の株式会社メリットファイブ中国高等教育学生信息網 日本代表(CHSI日本)では現在留学生が日本へ戻ってくるようにと日本の安全な様子を教育部サイト「日本頻道」で紹介しています。
是非ご協力ください。
以下CHSI日本からのメッセージです。
【留学生よ、帰れ日本へ】
日頃はお世話になりありがとうございます。
CHSI日本でございます。
震災、原発事故による留学生の日本離れはまだまだ終息と言うには程遠く、日本語学校各校様も苦慮なさっていることと存じます。
直接母国に赴き、留学生や父母に向けて安全に関する説明、説得をされている日本語学校様の話も数多く伺います。そうしたことの積み重ねが、少しずつでも日本に留学生を呼び戻す力になっていくことを信じてやみません。
そのような中、CHSI日本としても以下のようなことで微力ながら皆様のお力になれればと考えております。
CHSI日本は中国政府教育部の公式ポータルサイト「中国高等教育学生信息網」の中で日本留学情報専門サイト「日本頻道」を運営しております。専ら中国から日本への留学を目指す学生が訪れる専門サイトとなります。大地震のあった本年3月にはそうした学生が約15,000名訪れ、約43,000ページを閲覧していきました。
アクセス数自体は決して大きくありませんが、日本の教育機関に関心を持っている学生に絞って情報を発信できるという点で、伝達効率の良いサイトであると自負しております。
対象国は中国に限られますが、JaLSA様に於かれましても留学生の日本復帰のために上記日本頻道をご活用いただければと存じます。
地震や原発事故に関係なく、あるいはそれらを乗り越えて、今、普通に学園生活を送っている学生がいるということを、渡日を躊躇っている中国の学生とその親御さんたちに報せてあげてください。
学期が始まり学生たちが真剣に学ぶ授業の様子、震災時も日本に残った留学生たちの日常生活等々を、文章や写真でお寄せ下さい。日本頻道に掲載し、中国から日本の様子を窺っている留学生やその父母に直接お届けします。
以下は既に掲載されている記事です。
・日本語学校生徒によるお花見の様子
http://jp.chsi.com.cn/topics/2011/110420.html
・中国からの留学生が語る震災直後の日本
http://jp.chsi.com.cn/voice/110506_1.html
○文章、写真をお寄せいただく際は以下の要領でお願い致します。
※文章は200字程度にまとめてください。日本語、中国語、どちらでもけっこうです。日本語の場合はCHSI日本が責任をもって翻訳致します。
※写真は1、2点とし、それぞれに説明のキャンプションを付けてください。携帯電話で撮影したものでもけっこうです。
※文章、写真データをEメールに添付し、以下のアドレスにお送り下さい。
info@chsi.jp
※掲載料等費用は一切いただきません。
皆様の投稿をお待ち申し上げます。
[JaLSAニュース]2011.5.2
東北地方太平洋沖地震被災地域への義捐金について
JaLSAでは、震災直後より被災地域の日本語学校で学ぶ学生支援のための義捐金を募ってまいりましたが、5月10日を以ちまして、銀行振込みによる受付を締め切らせていただきます。
これまでに、ご支援・ご協力下さいました皆様に心より感謝致します。
5月10日以降にご入金を予定されていた方、また今後ご支援・ご協力くださいます方は、お手数ですが、JaLSA事務局までご連絡くださいますようお願い致します。
[JaLSAニュース]2011.5.2
ベトナム認証制度に関する変更点
表記の件につき、このたび、CEPECE(ベトナム教育訓練省)より認証書発行に関する報告を受け、全国日本語学校連合会はCEPECEとの協議の結果、下記の通り発行する認証書の種類について変更することとなりましたのでお知らせ致します。
これまで@「高等学校卒業証書の認証書」申請と併せて、高校の成績証明書の発行を希望する学生に対し、学生の経済的負担を軽減するため、追加料金なしで、E「高校の成績及び卒業証書の認証書」を発行してきましたが、認証書の申請件数増加に伴い、ベトナムの地方の高等学校における成績データの管理状況や通信設備の不備等により、成績の確認作業が難しい、あるいは確認ができないといった状況が頻発してまいりました。
つきましては、認証制度運用上、成績証明書を常時確実に発行できない現状では、入国管理局に対し認証書への不信感を与える可能性があることから、E「高校の成績及び卒業証書の認証書」発行を中止することと致しました。
今後は、@「高校卒業証書の認証書」を申請の上、高校成績証明書につきましては、認証制度発足前同様、現地校が発行したものをご使用くださいますようお願い致します。
ご不便をお掛けしますが、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
認証書の種類 ○発行できるもの ×発行できないもの
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変更前 |
変更後 |
@高等学校 卒業証書 |
○ |
○ |
A短期大学 卒業証書 |
○ |
○ |
B大学 卒業証書 |
○ |
○ |
C大学入試統一試験結果 |
○ |
○ |
D高等学校 成績及び卒業(仮)証明 |
○ |
○ |
E高校の成績及び卒業証書 |
○ |
× |
[JaLSA提言]2011.4.25
《留学生通信22》
《東日本大震災が日本語学校に与えた影響と今後の対応策》
3月11日に発生した東日本大震災は、死傷者・行方不明者3万2859人(4月18日現在)と未曾有の大災害となったが、こうした中でも、復興の足音は着実に進んでいる。日本語学校でも、宮城、福島、茨城などの被災地区で、風評被害も含めてかなりの被害が出たが、今は復旧に追われる日々が続いている。その一方で、在校生、並びに一時帰国した留学生の受け入れと帰校に向け、全国各地の日本語学校では、4月新入生対策も含めて力強い原状回復の手が様々に打たれ、留学生も徐々に日本に戻ってきている。
1.
「レベル7」でも全く違う福島第1原発事故とチェルノブイリ事故
1、放射能放出量、福島はチェルノブイリの10分の1、汚染面積も極少
運転中、暴走して原子炉自体が大爆発したソ連の原子炉事故
まず東日本大震災の被害、中でも、日本語学校に大きな被害を及ぼした留学生の大量一時帰国をもたらした東京電力福島第1原子力発電所の放射能汚染問題だが、汚染レベルにつき、経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全委員会は、4月12日の発表で、国際評価尺度で「深刻な事故」とされる「レベル7」に引き上げた。
25年前の旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同レベルなので、今回の発表で「福島原発の事故が同じような深刻な放射能汚染を引き起こしたのでは」と思いこみがちだが、事情は全く違うことを理解することが大事だ。
今回の事故で大気中に放出された放射性物質(放射能)の累積量について、同保安院は37万テラベクレル(テラは1兆、1万テラ=1京)、原子力安全委員会は63万テラベクレルと推計したために、「レベル7」の基準である「数万テラベクレル相当以上」に該当した、ということで、「レベル5」を「7」に修正したが、この数値は、「チェルノブイリ事故の放出量(520万テラベクレル)の10分の1割程度」だ。
しかも、「レベル7」の主たる根拠は、福島原発の2号機が爆発した3月15日頃の数時間、最大で1万テラベクレルの能力を持つ放射性物質が外部に放出されたことによるが、現在は1テラベクレル以下で「1万分の1に減っている」のが実状だ。
また、4月13日付け産経新聞「主張」によれば、福島原発とチェルノブイリ事故は重大度がまったく違うという。事故を起こしたチェルノブイリ4号炉は、「運転中に暴走して大爆発を起こし、炉心ごと吹き飛んだ。だから外部にばらまかれた放射能の量も汚染面積も比べものにならない」と解説している。
2、被爆死者0の福島原発事故
被爆死者29人、推定がん死者9000人、チェルノブイリ事故
さらに福島事故では「放射線被曝による死者は皆無」であるのに対し、チェルノブイリ事故では、世界保健機構(WHO)の推定によれば「29人の発電所員らが死亡した」ほか、がん死者約9000人にのぼったが、白血病の増加は確認されず、事故での最も深刻な後遺症は、被災者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)だったという。
3、東京電力、原発事故の収束に向け工程表発表
放射性物質の減少傾向進み、野菜出荷停止に解除の動き
一方、福島の4基の原発からは依然、放射性物質が漏れ出ているが、東電その他関係者の必死の汚染防止作業の結果、放射性物質そのものは一貫して減少傾向にあるとみられ、東京電力の勝又恒久会長は4月17日、福島第1原発事故の収束に向けた工程表を発表した。2段階で行い、第1段階は、1号機〜3号機の原子炉を放射線量が「着実な減少」になるまでに持って行くのに3カ月。安定的な「冷温停止状態」にするまでに6〜9カ月かかるとの見通しを示した。
放射性物質の減少に伴い、茨城県は、出荷停止中のホウレンソウ、カキナ、パセリの県産野菜3品目の出荷停止を、北茨城市、高萩市を除き解除した。こうした出荷解除の動きは、今後一層進むものと見られる。
2章 日本語留学生4017人、6割弱の学生が日本に踏みとどまる
全国日本語学校連合会、東日本大震災の学生動向調査まとめる
1.
145校が回答、「一時帰国者」は2651人、大半が手続き済み
前述したように今回の東日本大震災は、日本語学校関係者の間にも甚大な被害を及ぼした。全国84校からなる全国日本語学校連合会(JaLSA)は、今回の大震災が、日本語学校に留学している中国、韓国、ベトナムなど各国の留学生に与えた影響を調べた学生動向調査結果を4月15日までにまとめた。
それによると回答のあった学校数は145校、在学生合計6936人中、全国平均で見ると、大震災による「一時帰国者」は、2651人(うち再入国手続き済み、2501人、手続き未了152人)、率にして38・22%と4割弱に及んだが、他の都市への「国内避難者」は284人、4・09%。逆に「普段通り」の学生は3733人、同53・50%と過半数が学校通学範囲に踏みとどまり、国内避難者284人、4・09%も含めると、計4017人と6割弱の学生が日本に踏みとどまった。
2、退学生85人、退学希望者36人、転校者33人―と留学生の各1%前後
また「すでに退学」した学生は85人、同1・23%。「退学希望者」は36人、0・52%、「転校者」は33人、0・48人とそれぞれ少数にとどまった。
一方、4月入学生の動向は、合計2563人で、うち「入国済み」は358人、「ビザ取得済み」は1241人、「ビザ待ち」は964人、「辞退」者は185人、「変更希望」者は169人に及んだ。
3、一時帰国者は東北、関東甲信越地域で5割強
北海道、中部、中国四国九州沖縄は2割弱〜1割台
学生動向調査を地域別に見て見ると、福島第1原発の放射能汚染事故も含めた大震災の影響は、なんといっても震源地を中心に東北地域と関東甲信越地域に出た。とくに震源地の福島県、宮城県を抱えた東北地域(回答7校)では、「一時帰国者」が165人、55・37%と5割を超えた。また関東甲信越地域(同72校)は2146人、51・94%に達した。あとはグンと減って、近畿地域(同36校)219人、19・03%、北海道(同2校)5人、17・86%、中国四国九州沖縄地域(同23校)87人、10・00%と続いた。
4、影響が少なくて済んだ中部、中国四国九州沖縄、北海道など
「国内避難」者は、東北で84人、28・1%、関東甲信越が200人、4・85%だが、他の北海道、中部、近畿、中国四国九州沖縄は0人、0・00%と全くのゼロだった。また、「普段通り」の留学生は、数では関東甲信越が1683人と最高だったが、率では40・85%と東北の35人、11・74%に継ぐ低さだった。逆に率で最高だったのが中部で408人、87・37%を記録したほか、中国四国九州沖縄が715人、82・18%、北海道が23人、82・14%と、大震災の被害が少なくてすんだ。
3章、海外広報の強化と大胆で力強い海外留学生対策の推進を
東日本大震災被害の実状を日本語学校に聞く。
1、海外一時帰国の留学生の帰校に向け、様々な対策
留学生帰校情報を逐一情報発信―仙台ランゲージスクール日本語科
大震災の被害状況を4月15日現在で各校に聞いてみた結果を紹介したい。当然、学校の設置場所によってそれぞれ情況が異なる。「杜の都」仙台市内にある仙台ランゲージスクール日本語科(泉岡春美代表)では、170人中、90人がこの春卒業した。4月以降は80人体制だが、大半が一時帰国した。4月15日現在で、5名が戻り、5人が東京など国内に避難している。新入生2人が戻るなど月末までに徐々に戻りつつある情況だ。
仙台では、以前の地震災害などで耐震設計基準を厳しくしており、ビル被害などは余りなかったが、泉岡代表によれば、同校では、壁の石膏ボードなどに歪みでひび割れが生じるなどした。しかし、大半は福島第1原発事故の「放射能汚染の影響がほとんどないにも係わらず、「風評被害を被っている」のが実状だという。
そこで、同校では、ホームページに写真付きでメッセージを掲載し、学校では帰ってきた学生の顔写真入り名札を裏から表に引っくり返し、朝礼ならぬ夕礼で帰国学生の名前を紹介し、在学生に一目で帰校や入校がわかるようにしている。またインターネットでも様々な情報を流しているという。また、先生方が国際電話をかけて学生本人と直接話し帰校を促している。「留学生は日本に戻りたい気持ちが強いが、親などの心配がなかなか解けない」という。
- 中国・延辺で日本語クラス激減報告―さいたま・東京日語学院
一刻も早い原発安全宣言を―横浜市・翰林日本語学院
埼玉県の県都・さいたま市にある東京日語学院(荒木幹光理事長)では、関口美治業務部長によれば、200人中、100人が3月8日に卒業。在校生100人中、60人が一時帰国し、40人が留まった。帰国者は中国、韓国、台湾の学生が多かったという。とくに韓国からの留学生は帰国者7人中、3人戻り、残る4人中、3人が退学、1人が様子見で母国にいるという。
関口氏は、「地震直後の画面がインターネットやNHKのBS放送を通じて海外に流れ、中国、韓国、ヨーロッパでは『日本全体が危ない。大変なことになっている』と誇大に受け取られてパニック状態になったようです。留学生の一時帰国はその影響が強い。韓国では放射能被害が韓国にも及ぶと受け取られたようです」という。また、震災後、中国を訪れた荒木代表は「震災後、中国でも日本語学校に来る学生が減っている。また、テレビ・新聞等の報道により、日本が危ないということで、日本に留学しようとする学生も極端に減っている。」と語る。
神奈川県の県都・横浜市の翰林日本語学院(長岡博司校長)では、350人中、200人が卒業。現在133人だが、67人が帰国し、32人が戻った。戻らぬ45人の内、26人が一時帰国扱いで、国籍はフランス、エジプト、レバノン、ロシア、モルドバ、タイ、フィリピン、モロッコ、中国、韓国等で、その内、4人が4月期入学予定者だという。
同校では4月の入校式は自粛し、個々のオリエンテーションで事情を説明しているという。長岡校長は「政府が早く原発の安全宣言を出してほしい。今回の震災対策は一学校ができる問題ではない。日本国に魅力がないと、留学生は戻ってこない。その意味で大本の政府にしっかりしてもらわないといけない」という。
- 遅い政府対応、中韓両国強力な留学生戦略―沖縄・日本文化経済学院
政策一本化で海外留学生獲得戦略を―東京・TOPA21世紀語学校
また、被災地と遠隔地の沖縄・那覇市にある日本文化経済学院(仲田俊一代表)は、55人の在学生中、帰国者は2人。ベトナム人と中国人が各1名ずつだったが、4月生も7月入校生も入校情況は滅茶苦茶減っているという。
仲田代表は「中国政府は、ベトナムに大量に中国語教師を派遣して中国語ができる青年を増やす大胆な戦略を実施している。韓国政府も負けていない。留学費用を安くして、アルバイトも斡旋する。ベトナムに進出した韓国企業で働ける企業戦士を作る戦略だ。いずれにしても両国とも国を挙げて、親中、親韓の企業戦士を育てようとしている。日本だけがお役所仕事でもたもたし、一番遅れている。スピードをもって留学生戦略を樹立しないといけない」と、政府の対応の遅さ、決断力と戦略の無さを批判している。
また、東京・杉並区のTOPA21世紀語学校(水田穣作代表)の水田代表は、「中国は弱い、ヨーロッパからは全滅。日本に対してひどい印象を持っている。ロシアが日本行きを解除したが、そのようなニュースを広めたい。そして、ベトナム、ミャンマー、タイなど東南アジアはそれほど今回の大震災の影響を受けていない。インドネシアはキャンセルが無かった。改めて、日本に対して親日的な東南アジアに目を向ける重要性を感じた」という。また、沖縄の仲田代表が提起した日本政府の留学生対策の稚拙さについて、水田代表は「韓国語の検定試験で3級を取れば、国が先頭に立って韓国で働けるようにしている。日本はすべてが遅い。住み分けと称して、国の様々な機関が少しずつ色んな政策を推進しているが、そんなことを言っていては、この難局は乗り切れない。国が先頭に立って一本化して留学生獲得戦略を推進すべきだ」と訴える。
4、被災校・留学生の勉強再開支援の体制づくりを―松戸・KEN日本語学院
海外報道は過熱気味、政府、大丈夫アピールを―水戸国際日本語学校
大震災の爪痕は千葉県も襲った。松戸市のKEN日本語学院では、栗山久学院長によれば、授業に差し障りはなかったが、2校舎のうち、鉄筋3階建て本校の1,2階の階段裏のコンクリにひび割れが生じた。第2校舎の方は石膏ボードの壁なので窓の四隅にひび割れが生じた。約120人中、約60人が卒業し、卒業していない学生の18人が日本に留まり、37人が母国などに一時帰国した。そのうち3人以外が日本に既に戻ってきたという。
栗山学院長は「アメリカ、カナダ、京都などに避難した学生もいる。一番大事なことは、仙台とか福島とか、被災校、被災学生がしっかり勉強を再開できるように環境を整えてやることだ。あしなが育英会を利用できるようにするとか、被災校にいた留学生が落ち着いて勉強できるように転校を図るとか、文科省や外務省などが情報を提供し支援体制を整える工夫が必要である」という。
茨城県の県都・水戸市では、水戸国際日本語学校が被害にあった。校舎の倒壊は免れたが、学生用、教員用を含めてパソコンが6台破壊されるなどの被害が出た。3月11日から15日までは、寮の留学生らは避難所で生活をしたが、ライフラインの復旧が早かったために、職員は14日から1週間、復旧作業に当たった。また、4月6日開校を20日にずらす措置をとったという。
卒業生を含めて112人の留学生のうち在校生は45人。全員が16日までに一時帰国の手続きをとり、中国人学生は卒業生も含め全部で74人の大半が母国に帰った。また在校生45人中、36人が一時帰国し、内13人が戻り、残る23人中、3人が帰国選択、2人が帰校予定、残りが検討中だ。
水戸国際日本語学校(深川忠義代表)では、「ふだん留学生と接触の多い先生が『現状を説明して、水戸での生活が大丈夫である』ことを学生に伝えている。また、急遽、日本語ではあるがブログもアップして情報発信に努めている。学生の皆さん、また両親とも地震被害よりも、放射能被害を心配している。茨城県の発表を電話等で説明しているが、中国・韓国など海外報道が過熱しているので、政府がもっと大丈夫だということをアピールしてほしい。
同校では4月入学及び在校生に対しても5月でも大丈夫と個別に対応している。
5、 政府、英語会見で海外加熱風評被害の制圧を―東京・アークアカデミー
安心感を与えた陛下のお言葉―イーストウエスト国際教育グループ
東京都の渋谷区、新宿区など各地で日本語学校を経営しているアークアカデミー(鈴木紳郎代表)の鈴木代表は、もう1年間の日本語学習を予定していた留学生の70%が一時帰国し、そのうちの10数名が中途修了した。4月入学生の来日はまだ30数%。入学時期を7月生に延期した学生が約20%。入学辞退の連絡が来た学生が約10%。迷っている学生が残りの40%。そのなかには5月に来日する学生もいるはず。中国の学生が7割近くを占めるが、鈴木代表は、「8月までは有効なので、あわてる必要はないと思っている。しかし、風評被害的な影響を抑えるためには、政府は英語で記者会見をやってほしい。そこで、日本は安全だと言ってほしい」と語る。
また、東京都中野区と千葉市に学校を持つイーストウエスト国際教育グループ(林髟ロ代表)の林代表は、当初通りの4月開校だが、新入生と在校生を合わせて学生の5割が来校しており、5月連休明けに2次的に新しいクラスを起こす予定だ。林代表は「日本で原発も含めて地震被害から徐々に復興し、改善されていても、そうした事が海外でニュースになっていない。悪いことばかりが海外では報じられている。急激に日本の求心力が低下している。天皇・皇后両陛下は今、被災地を見舞われていますが、陛下のお言葉は本当にご立派で、国民に安心感を与えていらっしゃる」と語る。
今回の東日本大震災が提起した問題は、原発対策のみならず、非常事態体制の在り方、国民経済の復興まで様々な面に影響を与えた。日本語学校業界の動向にも密接な関係がある「留学生30万人計画」も、日本の魅力、求心力をもっとつけないといけないだろう。このまま無策では頓挫してしまう。政府は多くの日本語学校から積極的に意見を徴収して、もっと大胆で力強い留学生対策を推進する必要性があるだろう。
[JaLSAニュース]2011.4.12
東北地方太平洋沖地震被災地域への義捐金
経過報告
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって、東北地方を中心に大きな被害が発生しています。
全国日本語学校連合会では、被災地域の日本語学校で学ぶ留学生を援助するための義捐金を募っております。
JaLSA会員をはじめとする多くの方々によるご支援・ご協力により、これまでに 570,000円 の義捐金が集まりました。 この義捐金から、まず第1回目の支援として、宮城県・福島県・茨城県のJaLSA会員校7校に対し、1校あたり80,000円を配分することとなりました。
引き続き義捐金を受け付けておりますので、今後お寄せいただいた義捐金は第2回の支援として、適切に配分いたします。
皆様の温かいご支援。ご協力をお願いいたします。
全国日本語学校連合会 理事長 荒木幹光 副理事長 泉岡春美
義捐金 振込先: 群馬銀行 与野支店(375) 普通預金 口座番号 0167110
一般社団法人 全国日本語学校連合会
シヤ)ゼンコクニホンゴガツコウレンゴウカイ
[JaLSA提言]2011.3.23
《留学生通信21》
所感
3月11日に発生した東日本巨大地震は未曽有の大災害となり、心の痛む思いを全ての皆様がお持ちのことと存じます。そして、福島原発、計画停電、交通網の不安、余震および再度の地震発生の可能性、また物資の不足など、問題が残っております。そのため私どもも微力ではありますが、このような時こそ夢と希望をもって、元気な日本を築くために頑張っていく所存です。
そして、被災された皆様のために少しでもお力添えが出来るような活動を続けていきたいと考えております。また、義捐金も多く集まっております。寄付された皆様に御礼申し上げます。引き続き受付けておりますので、皆様のご支援ご協力を重ねてお願い申し上げます。
さて、そのような状況で、母国へ帰国した学生が多数います。日本に残っている学生には充分なケ
アーをし、母国へ帰国した学生には一日も早く学校へ戻ることができる安全な日本であることが早く発表されることを願っております。特に被災地の学生にとっての状況が早く改善されることをただひたすらすら祈るのみです。
また、4月期生の入学の時期が迫っておりますが、辞退する学生や延期する学生もいます。その中で、遅れてしまうという学生に対しても十分な対応がなされるよう皆様にお願いたします。 JaLSAは、これらの問題に全力で対応してまいります。何かございましたら是非ご連絡ください。
現在、日本語学校の運営は大変な時期にありますが、お互いが相携えて、情報交換をしながら乗り越えていきましょう。
最後に震災でお亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。また、みな皆様のご健勝を祈念しております。
《JaLSA 文科省に日振協の事業廃止を求める要望書提出》
日本語教育に関する検討会議、報告案に高等教育機関と
日本語学校の連携促進に向け協議体設置を盛り込む方向
1.
東日本大震災の罹災者救援に日振協の余剰積立金の全額寄付を
さる3月11日に発生した東日本大震災は、死者・行方不明者1万9000人(19日現在)を超える未曾有の大災害となり、建屋爆発のため困難を極めている東京電力福島第1原子力発電所の4機の原発の冷却機能回復を目指して、自衛隊、消防庁、東電など関係者が、放射能汚染の恐怖と闘いながら決死の作業を連日続けている。
こうした中で、昨年5月の行政刷新会議の事業仕分けで「事業廃止」の判定を受けた財団法人日本語教育振興協会(日振協)による維持会員会費、審査料の取りすぎの余剰金について、日本語学校への返還が検討されていたが、学校関係者の中には「東日本大震災は国家未曾有の大災害であり、この余剰金を返還するのではなく、全額復興支援のために寄付してはどうか」との意見が、関東周辺の関係者の間から出ている。
日振協がさる2月9日、東京・如水会館で開いた評議員会、理事会で討議した「維持会員及び審査料の負担軽減措置について(案)」は、評議員会では異論が出て結論がでなかったものの、続いて開かれた理事会では採択された。
理事会で採択された同負担軽減措置は以下の通りだ。
1、3年間、維持会員会費は現行18万円を12万円に軽減措置
維持会員会費、平成22年度から24年度までの3年間、特例措置として学校当たり定額部分を、現行18万円を12万円とする。負担軽減の対象は、当該年度の維持会員とする、としている。
審査料の負担軽減は、措置は以下の通りだ。
審査料については、平成22年度の改正後の申請から24年度までの間、特例措置として、次の通りとする。
1.新規審査:現行30万円については、法務省の告示に当たって行う新規審査の結果も見極めて検討する。
2.開設情況の審査:現行14万円を8・5万円とする。
3.更新審査:現行14万円を8・5万円とし、2回目以降の更新については現行7万円を1・5万円とする。
4.変更審査:現行14万円を10万円とする。
5.非維持会員校及び維持会費未納校の扱い:
開設情況の審査:現行28万円を14万円とする。初回更新審査:現行28万円を14万円とする。2回目以降の審査;現行14万円を7万円とする。変更審査:現行28万円を14万円とする。
○認定の有効期間の延長について、文科省の「高等教育機関に進学・在籍する外国人留学生の日本語教育に関する検討会議」の検討結果を待つ。
2、還付金原資は学生支援積立金など総額1億350万円。
還元に当てられる原資は、日振協の積立金だが、内訳はイ.学生支援積立金:4000万円。ロ.情報システム整備積立金:2700万円(平成22年度取り崩し450万円、取り崩し可能額2250万円)。ハ.留学生30万人受入れ体制整備積立金:45000万円(平成22年度取り崩し400万円、取り崩し可能額4100万円)で、積立金総額は計1億1200万円。この中から、ロ.からの平成22年度取崩し額450万円と、ハ.からの同取崩し額400万円を差し引いた、計1億350万円が還付金の原資となる。
負担軽減措置の方法は、1)維持会員(対象校は現維持会員とし、23年1月末で431校にのぼる)会費の負担軽減と、2)審査料の負担軽減による。これに必要な経費は、平成22年度から平成24年度の3年度分の合計1億429万円にのぼる。平成22年度分の必要経費は、合計3263万円だ。うち維持会員会費は2547万円となる。
3、日本語学校の復興支援策を急ぎ検討しよう
日本語学校では、今回の東日本大震災の影響で、中国、韓国、東南アジアなどの留学生が、留学生本人や故国の親の要請などで多数、一時帰国しており、日本語教育事業の先行きに不安を覚えている学校経営者も少なくない。
しかし、日本に留学生を送り込んでいる中国の留学生派遣事業者の中には、13日には訪日し1300人以上の留学生の安否を確認し、励ましている事業経営者もいる。中国側の留学生派遣事情を把握している大手の学校経営者は、返還される余剰金について「われわれ日本語学校経営者もここで怯んでいてはならない。今は国家の一大事であり、自分たちのことばかり考えていて良い時期ではない。大地震の被災者が置かれた惨状を思えば、自分たちが支援できることもたくさんあるはずだ。罹災者を救い、被災地域の復興を少しでも支援するために、日振協からの返済金を全額一括で寄付したらどうだろうか」と提起している。国家補助を仰いできた日振協としては、急ぎ検討すべき課題だろう。
2章、連合会、要望書で日振協の不誠実な事業推進を厳しく批判
1、更新申請の不用、日振協の維持会員でなくとも利用できる学習奨励金
昨年5月に行われた行政刷新会議の事業仕分けで「事業廃止」の判定を受けた財団法人日本語教育振興協会(日振協)について、(社)全国日本語学校連合会(連合会=JaLSA、荒木幹光理事長)は、ことし2月23日付けで、日振協の「事業廃止」を求める要望書を文科省留学生課の留学生交流室宛に提出した。
要望書では、日振協の維持会員校(日本語学校など)は、先の「事業仕分けの詳細を知り愕然(がくぜん)と致しました」として、
1.すべての維持会員校は、日振協に更新申請を提出し、更新料を払い、更新認可を受けなければ、留学生の申請を、各法務省地方入国管理局へ提出できないと思い込まされてきたが、法務省の見解によれば、日本語教育機関の法務省告示を受けた場合、3年に1度の更新申請は不要だったこと。
2.政府から支給される学習奨励金や中国の教育認証制度も、日振協を通じなくては利用できないと思い込まされてきたが、これも日振協の維持会員校でなくても利用できることが明らかになったこと。
などを指摘し、日振協の不誠実な事業ぶりを厳しく批判している。
同時に、日振協が設立されて今日まで20年余、約800校の日本語教育機関が認定されたものの、約400校が廃校のやむなきに至り、廃校の中には2名の経営者が自殺に追い込まれたと言及。通常、新規認定の場合、市場性、地域性などを考慮して決定するものと思われるが、「日振協の認定の場合は、そのような考慮が感じられない。認定した学校の半分が廃校になる。これは尋常ではない」と、その恣意的な認定のあり方を厳しく指弾している。
2、85校結集、日本語学校の有力団体に成長した全国日本語学校連合会
さらに、連合会は、日振協が業界団体ではないために、業界団体を設立しようと自然発生的に設立され、今や日本語学校85校、大学・専門学校・企業からなる賛助会員43団体で構成される日本語学校関係の最強力な業界団に成長したが、設立当初から日振協による妨害が続き「連合会の会員になると、日振協から差別を受けるから……と本音を漏らされた」と指摘し、日振協による嫌がらせ的行為にも触れ、公平公正な業務が成されていないことを指摘している。
最後に、日振協が、平成20年12月に明らかになった会計検査院の調査で、補助金800万円を国庫へ返金したこと、事業仕分けでも明らかになった補助金と会費・認定料収入で利益を貯めすぎた日振協の金権体質も挙げて「我々、連合会はそのような日振協を現状のままに認めるわけにはいきません。事業仕分けの結果同様、事業廃止を要望致します」と、文科省の所管官庁としての適切な指導を願い出た。
3章、国会、日振協問題で再質疑。江田法相、日本語学校審査の制度見直しで結論を出すと答弁
この日振協の問題は国会でも再三、取りあげられた。さる2月25日の衆議院予算委員会でも、民主党の竹田光明議員が「(日振協は)日本語教育機関の審査・証明を行う唯一の機関であり、その権力は長年にわたり絶大なものがあり、印象とすると、日本語学校に対してやりたい放題をしているんじゃないか、そのような印象を持ちました」と鋭く言及し、日本語教育の審査・証明事業の現状を質した。
これに対し、所管官庁の江田五月法務大臣は「今は、この協会の証明を参考とせず、文科省とよく相談しながら、文科省の意見を聞きながら、法務省としての告示を行うということにしており、日本語教育振興協会の仕事は今、中断というか休止している」と、日振協の認定事業の休止を明言した。また、日振協に代わって審査する機関については、五月法相は「新しい機関を作ることにはまだなっておりません。現在、文科省の方とよく相談し打ち合わせしながら順次進めていこうとしている」と答弁した。
とくに、要の日本語学校審査の形態についての竹田議員の質問には、文科省の磯田政府参考人が答弁し、昨年11月に、検討会議を立ち上げ、「日本語教育の質の保証」について、審査基準、審査枠組み、主体のあり方、また、日本語教育機関と高等教育機関との連携については、渡日前、渡日後、入学前、入学後、就職に向けてという、現在の外国人留学生とその前の人々を視野において検討していることを明らかにした。
さらに、江田法相は「日本語学校の審査業務自体の必要性は認められているところだが、ずさんな運用では困るので、これから考えていかねばならない。告示の審査は、外国人の入国、在留という観点と同時に、日本語教育と質の高い教育も不可欠であり、法務省は、その旨を文科省に伝えており、互いに協力しながらきっちりとした行政運営を総合的に進めていきたい。日本語教育については文科省で検討されているので、その結果を踏まえて、制度の見直しについては結論を出していきたい」と述べた。
4章、文科省、日本語教育に関する検討会議、報告書取りまとめ大詰めに
1、日本語教育の質の保証、日本留学の魅力とロールモデルの発振が重要
一方、文科省はすでに、行政刷新会議の日振協の「事業廃止」の判定を受けて、「高等教育機関に進学・在籍する外国人学生の日本語教育に関する検討会議」(検討会議)を設けて、「日本語教育の質の保証」を中心に、日振協の廃止も含めた日本語学校の審査のあり方を検討し大詰めに来ている。報告に向けてのポイント(案)をまとめており、それによると、報告案には、総論、短期的課題、中・長期的課題、高等教育機関と日本語学校との連携促進、その他、高等教育機関に進学・在籍する外国人学生の日本語教育に関することなどが討議され、盛り込まれている。
T、総論 ここでは(国際化の流れ、日本留学の魅力の発振、魅力的な日本留学モデルの提供)が検討され、「留学生の受け入れは、学生、大学、社会の国際化の観点から重要と考えられる」ということを大前提として、以下の点が指摘された。
1.安心・安全な社会、様々な日本文化など日本留学の魅力は高いと考えられ
2.日本留学の魅力が、必ずしも十分に海外に発信されていない。
3.日本留学におけるロールモデルが確立・発信されていない。このため日本留学をためらっていると考えられる。
4.日本留学の魅力、留学時のロールモデルの発信が重要。ロールモデルが見えないと学生獲得競争で後塵を拝する。
5.世界的に教育の質の保証が問われる中、日本語教育の質の保証が最も重要であり、安心して学べるという情報を発信していくことが鍵となる。
2、平23年10月開設希望の日本語教育機関は法務省で審査・告示を予定
U、短期的に取り組むべき課題 (日振協の審査・証明事業の廃止を受けて)を前提に、以下の点が検討された。
1.
事業仕分けにより、日振協の審査・証明事業は、法的により明確な制度に改めるとして、廃止とされた。
A 在留資格「留学」が取得できる日本語教育機関(大学などの高等教育機 関を除く)となるためには、法務省からその旨、告示される必要がある。
B 日振協の審査・照明結果を参考とする枠組みが廃止されることにより、これに代わる質保証のスキームの構築が早急に必要。
C 平成23年10月開設希望の日本語教育機関については、法務省で審査を受け付け、審査の上、告示を予定。
D 平成24年4月開設希望者に対しては、次の通りの対応が考えられる。
A これまで法務省が告示の際の参考としていた、昭和63年に文部省(当時)が策定した基準の使用が、法務省として問題点なければ、早急対応が必要な情況を踏まえ、当該基準を使用することも考えられる。
B 審査・証明事業業務は審査団体を設置して実施することが望ましいが、時間を要するために、法務省において申請を受け付け、告示を行うことも考えられる。
E 平成24年10月以降の新規開設希望者への対応としては、日本語教育の多様化の現状を踏まえて、検討会議終了後、有識者会議を設置して、審査基準を見直し、必要があれば、新たな審査基準を作成することも考えられる。
F 審査基準が見直しまたは新たに策定され、かつ審査システムが形成された後は、新たな審査基準により、審査を実施し、その結果を参考に法務省が告示を行うことも考えられる。
3、日本語教育機関と大学などとの連携は、日本留学の魅力増大に繋がる
V、中・長期的に取り組むべき課題 ここでは、「教育の質の保証」については、日本語教育機関の法的問題も含めた位置づけ、質保証の基準、質保証を審査する機関に求める基準、誰が審査を行うのか、などが検討され、そのメリット、デメリットなども指摘された。
また、「誰が審査を行うのかという日本語教育機関に対する審査」や「国による審査」「審査団体に対する質保証の審査」「日本語教育機関による各種学校化」「日本語教育機関の評価のあり方」などが検討され、ここでもそれぞれの考え方のメリット、デメリットなどが紹介されている。
W、高等教育機関と日本語教育機関との連携促進 日本語教育機関が高等教育機関への進学準備課程のみを担っている時代は終了したと考えられる、として日本語教育機関と大学と連携することにより、大学入学後も含んだ総合力としての日本留学の魅力の増大に繋がると考えられる。このため、大学など高等教育機関と、日本語教育機関団体間の連携促進や意見交換を容易にするための協議体の設置が望まれる。
X、その他、高等教育機関に進学・在籍する外国人学生の日本語教育 ここではまず、大学正規課程への安易な直接入学は、必ずしも留学生のメリットにはならない場合があり、日本語教育機関で日本語を習得した後、進学先を決定する方が進路に多様性があり、結果的に留学生のメリットになる場合もある、としている。
また、大学学部1年を日本語教育に当てる進学スタイルには懸念がある。大学と日本語教育機関が同じ土俵で学生獲得競争を行っても、日本語教育機関の劣勢は明らか。大学と日本語教育機関では、経営体力の問題もあり、勝負にならない、と指摘している。
さらに、優秀な留学生を確保するために渡日前入学許可制度を導入する大学を増やすなど、学生にとり留学しやすい環境を整えることが重要。その際、大学などと日本語教育機関との連携も考えられる、と提起している他、学生の日本語能力や学力など大学の適切な入学者選抜の結果、入学させることが、入学後の充実した学生生活や在籍管理の観点からも重要と、大学の適切な選抜制度の確立を求めている。
大学が外国人留学生に求める日本語能力は、学部、大学院、文系、理系、医歯薬系と、そのレベル・分野により様々であり、大学にとっても、どのような日本語教育を外国人留学生に対して、自ら提供するかについては、大きな課題と考えられる。
5章、青森大学で大量偽装入学発覚、大学の適切な選抜制度の確立が必須
日本語学校の重要性が改めて浮かび上がる
ところで、大学、日本語学校などの関係者が一様に懸念したのは、さる1月に新聞、テレビなどマスコミで大きく取りあげられた私立の青森大学の就労目的と見られる偽装留学の中国人140人の受け入れが発覚した事件で、目下、文科省が事実関係の調査を調べている。
2月11日付け産経新聞の報道によれば、青森大学が1月14日に、平成20年〜22年度で、留学生として受け入れた中国人140人を「通学実績がない」として除籍したと発表。除籍者らは入学金10万円と年55万円の学費の一部を払った後、半年程度で授業に出なくなり、調査したところ首都圏や中京圏で働いていたという。青森大学では10年前から、定員割れが続いており、17年度から留学生受け入れ強化を「(大学の)生き残り作戦」(末永学長)として重視してきた。今年度の学部定員は2020人だが、在学生1367人(昨年5月現在)中、留学生が245人にのぼっていた。
同大では、中国本土に4、5カ所の試験会場を設け、留学希望者を審査していたが、審査に疑問符がつく事実が発覚、今回の問題の浮上を受けて実施した日本語能力テストの結果、カンニングが疑われる答案が続出した。また、除籍者のほとんどが日本語を話せなかったという。末永学長は「審査が不十分だった」と認めざるを得なかった。
留学生の多くは学費が一部減免されており、その一部は国費で補填されている。文科省によると、大学側には2年間で総額3800万円が支出されていた。同大の不正受給となる可能性もあり、専門家は「同様の問題を抱える大学は他にもあるようだ。問題は氷山の一角ではないか」と指摘しているという。
中国では、日本の学校を狙って、不法就労を目的にした若者に留学を斡旋するブローカーも暗躍している。文科省の日本語教育に関する検討会議では「学生の日本語能力や学力など大学の適切な入学者選抜の結果、入学させることが、入学後の充実した学生生活や在籍管理の観点からも重要」と指摘しており、青森大学の事件は、「大学の適切な入学者選抜」の確立と共に、改めて留学生の日本語適応能力を高める日本語学校の重要性をも浮かび上がらせたといえる。
[JaLSAニュース]2011.3.18
法務省入管局へ 地震に伴う特例処置に関する請願書 を提出
2011年3月16日午後、JaLSAは「東日本巨大地震の発生にj伴う留学生に係る特例処置について」の請願書を、法務省入管局局長宛てに提出し、下記の2点についてお願い致しました。これにつきまして法務省入管局から回答があり次第、当ホームページにてお知らせいたします。また、東京入国管理局留学審査部門、横浜支局留学・研修審査部門へも、財団法人入管協会の佐藤専務理事とともに、同様の請願書を提出致します。
請願内容:
1.4月期入学の留学生に係る在留資格認定証明書の取扱いについて
4月期入学予定の留学生については、本年2月25日に在留資格認定証明書交付をうけており、その有効期限となる5月25日までに該当査証を取得し、入国審査官に提出、上陸申請しなければならないが、入国審査官に対し在留資格認定証明書が交付されてから6月以内に同証明書を提出し上陸申請することとする特別措置として頂くこと。
2.7月期及び10月期に日本語教育機関への入学を予定とする在留資格認定証明書交付申請期間の変更について
7月期及び10月期に係る留学生の在留資格認定証明書交付申請について一定の期間が定められているが、それぞれの申請期間を1カ月先の一定期間、例えば3月29日の一斉申請日を4月30日に先送りした申請日として頂くこと。
[JaLSAニュース]2011.3.14
東北地方太平洋沖地震被災地域への
義捐金のお願い
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって、東北地方を中心に大きな被害が発生しています。
東北地方には11校の日本語学校があります。現在のところ詳細は不明ですが、これらの学校に在籍する学生は、アパートが破損して住むことができない、アルバイトが無くなって直接・間接的に被害を受けて、大変な困難に直面する可能性があります。
そこで、全国日本語学校連合会では、被災学生を援助するための義捐金を募ることにいたしました。
本連合会の副理事を務める学校も被災いたしましたが、幸いにも重大な被害がなかったようでありますので、集まった義捐金は被災状況を確認の上、現地の副理事を通じて最も適切と思われる形で学生にいきわたるようにいたします。
皆様の温かいご支援。ご協力をお願いいたします。
全国日本語学校連合会 理事長 荒木幹光
義捐金 振込先: 群馬銀行 与野支店(375) 普通預金 口座番号 0167110
一般社団法人 全国日本語学校連合会
イツパンシヤダンホウジン ゼンコクニホンゴガツコウレンゴウカイ
[JaLSAニュース]2011.3.11
賛助会員のCHSI日本様よりお知らせです。
●法務省がCHSIの学歴等認証書を審査の参考にすると明言
中国高等教育学生信息網 日本代表(CHSI日本)がご案内しております中国人留学生の学歴等認証につきまして、従来地方入国管理局が参考にしていた認証書と様式が異なるため、提出に際し不安があるとの声が日本語学校様よりも寄せられておりました。
かかる事態を解消すべく、CHSI日本では法務省入国管理局在留課様にCHSIの認証書が中国政府教育部の管理するデータベースに基づいて発給されるものであり、権威性、信頼度等に於いて何ら問題のないことをお伝えし、善処していただくようお願いをしておりました。
その結果、2011年3月8日(火)、法務省入国管理局入国在留課様よりCHSI日本宛て、Eメールにて「CHSI日本代表を通じて中国のCHSIが認証した学歴等について、提出があれば審査の参考とします」とのご連絡をいただきました。
法務省入国管理局入国在留課様では、既に3月初めに全国の地方入管に対し、本件について情報の周知を行っていただいたとのことです。
これを受け、CHSI日本では今後中国人学生の学歴等認証に関するサービスに、より一層力を入れて取り組んで参る所存です。
上、取り急ぎご報告申し上げます。
※本件に関する記事は「中国高等教育・学生情報NET」下記URLに掲載しておりますのでご高覧下さい。
http://www.chsi.jp/jp_news/2011/0310.html
中国高等教育学生信息網 日本代表(CHSI日本)
東京都中央区銀座8-16-13 中銀城山ビル7F
TEL:03-6909-2235 FAX:03-3546-6768
E-mail:info@chsi.jp
[JaLSAニュース]2011.3.7
文部科学省 高等教育局 学生・留学生課 留学生交流室 へ要望書提出
2011年2月23日、JaLSA理事長と理事4名が、文部科学省 高等教育局 学生留学生課長 松尾泰樹氏にお目にかかり、要望書を提出しました。
内容は、主に財団法人日本語教育振興協会に対して、管掌官庁として適切に指導をして下さるよう要望するものです。
併せて次の2点についてもお願いを致しました。
1. JaLSA会員の日本語学校の向上のために、JaLSAが行う研修・研究への講師派遣等の協力要請
2.株式会社設立の日本語学校に対しても、学校法人と同様の御指導・御鞭撻をいただけるよう請願。
[JaLSAニュース]2011.3.4
私費外国人留学生学習奨励費給付制度に係る事務手続きについて
すでにご存じのこととは思いますが、再確認です。
独立行政法人日本学生支援機構の私費外国人学習奨励費給付制度(日本語教育機関)につきましては、従来、財団法人日本語教育振興協会が推薦書等の取りまとめをおこなっていましたが、平成23年度採択、予約分以降については、日本学生支援機構から、直接、日本語教育機関宛てに通知され、書類等も、日本学生支援機構へ直接提出することになりました。
事務手続きの詳細につきましては、日本学生支援機構からのお知らせをご覧ください。
問い合わせ先:
独立行政法人日本学生支援機構
留学生事業部留学生事業計画課 国際奨学室
学習奨励費担当
(TEL) 03-5520-6030
(FAX) 03-5520-6031
[JaLSAニュース]2011.2.14
賛助会員のCHSI日本様よりお知らせです。
●JASSO編集「留学交流」1月号でCHSI学歴等認証システムが紹介されました。
皆様ご存知のように、日本学生支援機構(JASSO)編集の月刊誌「留学交流」は、教育機関で留学関連のお仕事をされている方の間では権威ある雑誌としてつとに知られています。
その「留学交流」1月号(1月11日発売 時評社刊)に、私たちCHSI日本が普及に取り組んでいる「学歴等認証システム」の解説記事を寄稿させていただきました。
『中国人留学生の「質の確保に」に向けた学歴等認証システムの普及・促進への取組』と題し、4ページにわたって認証システム自体から中国政府教育部に於けるCHSIの位置づけまで、分かりやすく解説させていただいております。
JASSO様のご許可をいただき、サイトでPDF版をご覧になれるように致しました。
URLは以下となりますので是非ともご覧ください。
↓
http://www.chsi.jp/right/cont/ryugakukouryu.pdf
中国高等教育学生信息網 日本代表(CHSI日本)
東京都中央区銀座8-16-13 中銀城山ビル7F
TEL:03-6909-2235 FAX:03-3546-6768
E-mail:info@chsi.jp
[JaLSA提言]2011.2.4
《留学生通信20》
《グローバル人材の育成目指す立命館アジア太平洋大学の挑戦》
T章、低下する一方の日本の大学力
1、切磋琢磨の精神を欠いた日本の教育システム
恥ずかしいことだが、日本の大学の評価が欧米の大学に比べて一般的に低い。大学側が受験戦争の弊害回避にこだわりすぎて、切磋琢磨のシステムの構築を顧みず、大学経営における営利追求を優先しすぎた結果、優秀かつチャレンジ精神に富んだ学生が育たなくなっているのではないだろうか。文科省も様々な形でゆとり教育を定着させ、少年期において、機会の平等ではなく、競争を否定する結果平等の行政を長年にわたって奨励してきた。その結果、生徒全体のやる気を削いできたともいえる。こうした流れの結果、最高学府の日本の大学卒業生の実力と評価が、自ずから低下したのだろう。当然のことだが、このような評価が長期間定着すれば、日本留学を希望する学生が減るのをくい止められない。
自ら招いた事態だ。例えば、早稲田大学、慶応大学など一流私立大学も含めて日本の大学は、戦後競って受験科目を減らし続けてきた。昔は5教科が普通だったのが、今では人文系の入試は数学などを外して3科目が普通だ。その結果、他国の学生が当然勉強している科目も、日本の高校生は熱心に勉強することもなく受験・進学できる。自国の歴史を必修科目とせずに、世界史との選択科目にさせられているのも、恐らく日本の高校だけではないだろうか。
一流大学に進学できても微積分もできない経済学部の学生も少なくないという。国内外の塾や日本語学校、大学などで日本語を学び、日本の大学に学ぼうと決意している留学生志望者にとっても人ごとではない、日本留学意欲を削ぐ、憂うべき日本の大学の現状なのである。
2、実力を誇る米国一流大学と大学生の猛勉強ぶり
それだけではない。あまり勉強しなくとも卒業できるくらいに日本の大学の進学基準は甘い。アメリカの大学は入学は優しいが、卒業は難しく、不勉強な学生はびしびし落とされる。教授が講義をする際に読ませる本のリストも半端ではない。推薦図書は評価が定着した一流の本が推薦される。教授の基準の一つはいかに優れた本を推薦できるか、その能力を問われる。必読リストを読んでこないと、授業についてゆけない。学生にとり予習、復習は当然、必須だ。
米国のコロンビア大学大学院の修士課程の学生は、睡眠を3時間しかせずに勉強に打ち込んでいたという。図書館で貧血のために、バタッと倒れる学生が出ても周囲はあわてず、図書館の係員が介添えで医務室に連れてゆき、医師が気付け薬などをかがせて手当をした後、小休止すると、再びその学生はまるで何事もなかったかのように、自席に戻って再び勉強に励むのを当たり前としていたという。
3、江戸時代・緒方洪庵の適塾の向学心と劣る現代日本の大学
日本の大学は逆で、入学は厳しいが、卒業は甘い。よほどの欠陥がなければ、教授のお目こぼしで卒業できる、といわれて久しい。昔のエリート層たる武士の子弟が、午前中は藩校に通い座学をし、午後は馬術、剣道、弓道など武芸に励む文武両道の道を歩んだのとは大違いだ。福沢諭吉や大村益次郎が学び、慶応大学や大阪大学の源流といわれる江戸時代の塾の代表格である緒方洪庵の適塾は、寝る間も惜しんで勉強していた。塾では年齢ではなく「成績次第で上級、中級などクラスを変えた」といわれている。
4、アジア通貨危機で奮起した韓国の大学行政、英語重視に転換
お隣りの韓国では「進学率8割」で、日本の5割を遙かに超えている。1997年のアジア通貨危機の直撃を受けたときに、韓国政府は「危機を回避できなかったのは、グローバル人材の不足」を痛感し、国際的な競争力の強化を人材面から図るために官民一体で「Brain韓国21」政策や「Study韓国Projecto」政策を打ち出し、英語教育を充実させてグローバルな人材を育てようと、弱点克服の教育政策を確実に打ち出してきた。英語講義が重要な指標となった。韓国の私学の雄、高麗大学では「Global高麗大学Projecto」政策を掲げて推進し、英語での講義割合を50%にまで高めた。私大のもう一つの雄、延世大学では、早稲田大学国際教養学部のような完全英語の学部を2つも設置し、日本の慶応大学と香港・香港大学との間に3大学の合同勉強会「3キャンパス合同東アジア研究プロジェクト」を実施している。海外留学生数は、2007年時点で韓国の2倍近くになる。韓国の留学生は年増加し、日本の留学生は年々減っているのだ。
日本人学生のひ弱さを考えると、英語力強化の前に、理解能力の向上の前提となる国語力の強化と、祖国を誇りに思えるような歴史教育の強化が必須で、イデオロギー的な偏りのない、特定の史観に偏らない正統かつ公正な日本史知識の充填と伝統文化の知識向上が必須と思える。しかし、以上、列記した点を振り返ると、日本の大学がもたもたしている場合ではないことだけは、火を見るよりも明らかだ。
U章、日本の大学にも気概とチャレンジ精神の勃興
1、グローバル人材の養成目指す4大学の挑戦
ではどうしたら良いのか、良き回答例がすでに一部に出てきた。日本の実状に危機感を抱き、世界で活躍できるグローバル人材を育てる動きが、大学側に興っている。昨年4月16日、開学10周年を迎えた大分県にある立命館アジア太平洋大学(APU)、秋田県にある中島嶺雄元東京外国語大学学長が学長を務める国際教養大学(AIU)、早稲田大学国際教養大学、国際基督教大学(ICU)の4大学が、「世界に通用する教育を提供し、国際社会で活躍できるグローバル人材の育成を目指し」連携協定を締結したのだ。
同協定では、国際教育の分野で数多くの先進的な取り組みをしている4大学が、ノウハウの共有、教職員、学生の交流などで相互協力し、世界に通用する人材・教育システム構築を目指す。同時に、日本の教育の質の向上に貢献することも意図している。
従って、この4大学は、政府が掲げる2015年までに留学生30万人達成計画に向けた取組の一環として進めている「グローバル30」(国際化拠点整備事業)、すなわち国際的に活躍できる人材の育成など大学国際化に向けた事業の要件(留学生受け入れ態勢の強化と切磋琢磨する環境の構築など)をすでに満たしているために、グローバル30の対象校からは外れている。
2、「世界共学」「日英2言語教育」を掲げる立命館アジア太平洋大学の挑戦
では、このような4大学とは、どのような大学か、大学側の資料を基に「立命館アジア太平洋大学(是永駿学長)」を例にとって見てみよう。
同大学は、立命館学園創設100周年を記念して2000年(平成12年)に、大分県別府市の別府湾を眼下に見る絶好の地に建てられた。「新たに世界に通用する大学を設立する」という立命館の理念に自ら「一村一品運動」を提唱し、かつ常日頃から国際交流の必要性を説き、実績も築いてきた平松守彦大分県知事が共鳴し、大学誘致を熱心に呼びかけたことが実を結んで、同地に建てられたもの。
大学の「建学の目的」は21世紀のアジア太平洋地域を代表する国際社会で活躍できる人材の育成・輩出にある。また、大学の設立当初からの「建学の理念」は、「世界共学」。世界各国・地域から学生が同じキャンパスに集い、多くの国々の教員・研究者の下で職員に支えられ、共に学ぶことにある。
「世界共学」の理念を実現するために考案された教育方針が、「国際学生(留学生)と国内学生の比率を1対1にする」ことと、「日英二言語教育」での授業だ。このシステムの推進には、日本語教材と英語教材を同時に用意することが授業のためには不可欠なために、職員の作業は倍の仕事を要求され、準備がとても大変だという。しかし、このシステムを採用したために、世界水準の教育の提供と、優れた異文化教育を可能にした。また、多くの優秀な留学生を集めるなどのために、中国、韓国、台湾、タイ、ベトナム、インドネシアの6カ国にAPU現地事務所を置いている。さらに、8カ国・地域にAPU校友会や父母会がすでにでき、留学生支援のために大きく貢献している。
3、在学生6040人、うち国内最多2837人の留学生が学ぶキャンパス
現在、同校には社会学や国際関係学の視点から世界の課題を捉えるアジア太平洋学部(APS)と、ビジネスの側面から国際社会にアプローチする国際経営学部(APM)の2学部があり、APU大学院もある。学生数は2010年11月時点で、85カ国・地域からの国際学生2837名(国際学生比率47%)と、国内学生3103名に達する。国内最多の留学生数だ。
立命館アジア太平洋大学は、世界各国の優秀な学生を受け入れようと、多くの努力を重ねた結果、世界60カ国・地域の402大学・研究機関との間に協力関係を構築し、このうち37カ国・地域110校と学生交換協定を締結している。教員数は昨年5月時点で、173名、うち外国籍教員は、75名(外国籍教員比は44%)で、世界中から「教育に情熱ある教員」を求めている。
APUの特色の2言語教育だが、現在、学部の全授業の8割が日英双方で行い、残りの2割が日本語か英語のいずれかで行われている。まず学生は、入学時に日本語、または英語(入学基準言語)を選択し、1・2回生で集中的に学習に取り組み、3・4回生で日英いずれの専門科目を履修できる。日本語能力を持たない留学生も始めの2年間で集中的に日本語を習得し、卒業する頃には高い言語能力を備えることができる。また、1年間は全寮制で国際寮「APハウス」に生活し、日本語・日本文化理解の習熟に努め、2年目からは市内居住となる。
4、日本語も大事にする日英2言語教育がグローバル人材を育てる。
また、日本語で受験した国内学生は、最初の2年間の英語教育を受けるために、キャンパスでは、日英二言語によるコミュニケーションが活発に行うことができるようになるという。また国内学生は異言語・異文化に慣れるために、卒業までに全員、海外学習を体験することを目標にしている。こうした「徹底した言語教育」の積み重ねで、APUの学生は、国際学生で「日本語検定1級レベル」、国内学生は「TOEFL500レベル」の獲得が要求される。
ちなみに、APUは「言語教育センター」を設置し、日英の言語プログラムだけではなく、アジア太平洋の6言語(中国語、韓国語、マレー語、インドネシア語、スペイン語、タイ語、ベトナム語)についても、入門レベルから上級レベルまで開講し、海外留学生、国内学生双方の多言語能力習得を支援している。
世界的な教育・研究活動を行う大学では、英語による教育がスタンダードだが、同校では2言語教育の採用により、英語だけでなく、日本語もしっかり学べることから、日本文化・社会への理解も深まり、就職がより容易になるなど、世界中から優秀な学生が集まってくる要因にもなっている。ちなみに、留学生の出身別内訳は、欧州30%、アフリカ23%、アジア20%、南北アメリカ15%、中東6%、オセアニア6%と特定地域に偏らずに幅広い。
5、勉強しない日本の学生像をひっくり返したAPUの学生たち
APUの国内学生は「日本の大学生は勉強しない」という前評判を一気に崩した。勉強しないと卒業できない授業で、定期試験が5割以下の成績評価基準を持ち、あと、出席、宿題、授業のプレゼンも加えて総合評価される。APUの学生の授業以外の学習時間は、日に2時間以上5時間までの学生が5割を超える。国内学生は3割弱だが、1時間以上を含めると同じく5割を超える。日本の学生の全国平均は2001年調査では「ほとんどなし」が5割弱という惨状だ。従って一般の大学の就職率が「6割台」なのに、APUの学生の就職率は「9割を超える」という。まさに好結果が、これまでの10年間の大学運営の政策の正しさ見事に証明している。
6、「21世紀の咸宣園に」と、理想説く是永駿学長
昨年1月に2代目学長に就任したばかりの元大阪外国語大学学長の是永駿新学長は、立命館アジア太平洋大学の将来について、大分県日田市出身の儒学者、広瀬淡窓の私塾「咸宣園」になぞらえて「21世紀の咸宣園として大学を発展させたい」と抱負を述べている。
広瀬淡窓の指針は「敬天の説」。人間は正しいことをすれば天から必ず報われるとする教えだ。教育では淡窓は、「人材を教育するのは、善の大なるものあり」と教育を誇りにし、かつ自身、善行の実践、悪行の戒めを日々、自らに課し、善行が優位を占めるよう「克己と自省の日々」を送ったという。
入塾に際しては、職業に貴賤をつけず、武士から農民まで身分差なく迎え入れ、実力主義、切磋琢磨の精神を大事にしながら弟子の教育に当たったといわれる。同時に「鋭きも 鈍きもともに 捨てがたし 錐(きり)と槌(つち)とに 使い分けなば」と和歌を残しているように、能力に応じた才能の伸ばし方、人材の起用を大事にしたといわれている。ちなみに「咸宣」とは「ことごとくよろし」の意味が込められているという。まさに、世界の若者を迎えているAPUの建学精神に相等しいにふさわしい広瀬淡窓の「咸宣園」の教育方針だ。
立命館アジア太平洋大学は、これから第2フェーズを迎える。前述の4大学を関係者は「国際大学リーグ(G4)」と称しているが、APUや「就職率100%」の秋田国際教養大学などG4の新たな挑戦は、日本の大学の深化と進化を限りなく導くものだ。日本語学校関係者もその行方を熱く見守っている。
[JaLSAニュース]2011.1.28
日本語教育振興協会へ申し入れ
2011年1月、一般社団法人全国日本語学校連合会(JaLSA)は、飯田法律事務所 飯田数美弁護士を通じ、財団法人日本語教育振興協会へ下記の申し入れを行いました。
また、文部科学省へもこの件に関し、日振協に御指導いただくようお願いしました。
申し入れ内容
1.当会に加盟する日本語教育機関(以下、「当会加盟校」という。)は、その設立時には貴会に審査料を支払って審査を受け、日本語教育機関として適正な設備及び編制を有していることを証明頂き、この証明に基づき法務省から告示を頂いて認可され、設備及び編制に変更があった場合のほか3年毎の更新の際には、改めて貴会に審査料を支払い、併せて会費も納めてまいりましたところ、去る昨年5月24日に行われた内閣府行政刷新会議による事業仕分けの結果、貴会が日本語教育機関の審査・証明事業を独占的に行っていることについて法令上の明確な根拠を欠き「廃止」と評価されたことは公知のとおりです。
2.一方、貴会は営利を目的としない財団法人であるにも拘らず、会計検査院の調査により剰余金である内部留保額(現在ではその殆どが「基金」に名を変えているとの報道がある)が年間支出額の1.5倍に達していることが明らかになっているのであって、この内部留保金から貴会が国から受けた補助金を控除した残額については、本来ならば当会加盟校を含む認定日本語教育機関が納入する必要のなかった更新料・会費等累積額が相当程度含まれているものと思料しております。
3.ついては、当会は貴会に対し、上記事業仕分けの評価を踏まえ、貴会が既に徴収した審査料・会費等について、これを納入した日本語教育機関に速やかに還付されるよう、本状をもって申し入れる次第です。
[JaLSAニュース]2011.1.21
変化の兆し
もしかすると、流れが大きく変わる節目にさしかかっているのかもしれない。ソニーが2年後をめどに、新卒採用に占める外国人の割合を3割にまで高める方針を決めたようだ。日本国内の大学などの留学生のほか、アジアの理工系大学の卒業者の採用も視野に入れているという。すでに楽天が今年の新卒者の3割を外国人にする方針であるほか、パナソニックやファーストリテイリング(ユニクロを展開)なども大幅な外国人採用増を打ち出している。ローソンや富士通なども積極的とされる。
人材情報を提供するディスコが行った調査によると、今春卒業予定の留学生を採用する意向のある企業は、全体の2割を超え、昨春、実際に採用した企業の2倍に達したという。実際の採用段階になると撤退する企業が出ることも予想されるが、それでも急激な変化だろう。
もっとも足下の、留学生の就職状況は厳しい。留学生の数自体はこのところ右肩上がりで増えている。3年前が12万3000人余、一昨年が13万2000人余。昨年5月時点で日本の大学などに在籍する外国人留学生は、14万人を超えたという。もちろん過去最高だ。
一方、法務省の調査によると、一昨年、外国人留学生らが日本の企業に就職するために行った在留資格変更申請が許可されたのは9500件。一昨年の11000件余りより1500件ほど減ってしまった。
平成19年には前年比24%の大幅な伸びを見せ、20年にもわずかに前年を上回っていたのだが、リーマンショック以降の不況は、留学生にも多大な影響を及ぼしたようだ。昨年の数字は来夏ごろにならないとまとまらないが、留学生の過半を占める中国人留学生について日中交流筋は、「本国へ帰る人が増えている。リーマンの後遺症は続いている」と話している。
また、これまでの留学生の就職先は思いの外、中小企業が多かった現状がある。昨年卒業した留学生のうち、従業員50人以下の会社に就職した数は4000人を超える。在留資格変更した留学生の42%を超え、従業員100人以下を加えると5割を超える。この傾向はここ数年変化していない。留学生全体の約4割が「商業・貿易」か「コンピュータ関連」の企業に就職していることから、小規模な貿易会社やソフト関連会社などに職を求めていたのだろう。ただ、こうした企業はすでに必要な数の留学生を採用してしまっている公算も大きく、退職した人材の穴埋めなどを除いては、採用余地が今後広がるとは思えない。
一方、昨年、従業員2000人以上の大企業に就職した留学生はわずか1275人に過ぎない。前述した楽天の今年度採用分約180人を加えるだけで、全体に占める割合は急上昇する(楽天の場合、600人のうち約3割を外国人とする方針だが、そのすべてが留学生ではないが)。実は日本で就職した留学生が10200人だった平成19年には、この2000人以上の企業への就職者は1085人に過ぎず、全体の数が減少した21年に、1275人に増えている。大企業が留学生採用に前向きとなる傾向は数年前から始まっていたのかもしれない。
さて、世界に名を知られる日本のブランド企業が外国人(留学生)採用枠を増やせば、30万人計画の名のもと、留学生獲得を目標としている政府の思惑通り物事が進むのだろうか。
ある日本語学校関係者は、「大企業に入るような留学生は、現在でも進路に困っていませんよ。問題なのはごく普通の留学生にとって日本にとどまる道が狭まっていることだ」と話す。実際、ある調査によると、昨年に比べて今年の方が就職が厳しいと感じている留学生は89%に達し、日本人学生とほぼ同じ結果だ。さらに「非常に厳しい」とした留学生は44%で、日本人の33%を大幅に上回っている。どうも足下はおぼつかないようだ。
一方で、超氷河期と言われる日本人学生の就職との関係で、外国人採用を快く受け止められない向きも多い。特に昨今、草食系と評される男子学生が、多大な期待を背負って日本にやってきている留学生と同じ土俵で戦って勝てるわけがない、日本の就職市場は外国人の草刈り場になってしまうという論調を、無碍に否定することもできない。けれどもやはり、ここは日本人学生がんばれと言うしかなかろう。
就職したばかりの新入社員(日本人)にアンケートを取ったところ、7割が「海外に出たくない」と回答したという。「語学が不安」とか「治安が悪そう」とかがその理由だ。中年以降の管理職クラスは、「海外勤務厭わず」どころか、海外を希望する向きが過半数を占めているのは幸いだが、昨今の円高のせいばかりでなく、今後、ますます海外での事業展開が重要になると思われる日本の企業にとって、若者の「国内引きこもり志向」は深刻だ。
米国際教育研究所が発表した米国の大学・大学院への留学生数も日本は前年度に比べて15%減の2万5000人弱。ピーク時の約半数だ。一方で、中国人は前年度比3割という驚異的な伸び率を示し、約12万人となっている。
日本で発行されているある華字紙が、「外に出ようとしない若者に替わって、企業は日本への留学生採用に前向きだ」と報じ、「日本人学生は、外国人留学生を『天敵』と感じている」などと分析していた。「そうかもな」と納得するのではなく、発奮してもらいたいものである。
付録です
興味深い調査結果が発表されたので紹介したい。
人材情報提供会社のディスコが行ったもので、留学生が日本の企業に就職した後のキャリアプランについて尋ねている。選択肢は5つで
1.定年まで勤めたい
2.転職などでキャリアアップ
3.いずれは独立・起業
4.いずれは家庭に
5.その他
となっている。日本人学生にも同様の質問をぶつけたところ、@からDの順で回答者が多かった。さて留学生はなんと答えたか予想していただきたい。ちなみに回答者した留学生の6割は女性である。
すぐに答えを書いてしまうのもつまらないので、次には、就職先を選ぶ際に重視する点の調査結果を揚げてみたい。トップは「将来性がある」で61%。「職場の雰囲気がいい」(29%)、「有名だ」(26%)、「給与・待遇がいい」(25%)「仕事が魅力的」(24%)「教育・研修制度が充実」(23%)と続く。(5つまで複数回答可。小数点以下四捨五入)。日本人は「将来性」、「職場の雰囲気」、「仕事内容」と続き、順番に大きな差異はないようだ。ただ、将来性を重視すると答えた日本人は44%で、職場の雰囲気(40%)と大差ない。留学生の方がより企業の将来性を重視しているといえそうだ。
さて、最初の問題に戻ろう。
筆者などはAが一番多く、次いでBが多い、と予想した。多くの方が筆者と同様の予想をされたのではなかろうか。
意外や、トップは日本人と同様、@定年まで勤めたい だった。日本人の約6割がそう回答しているのに対して、さすがに留学生では36%に過ぎないが、Aキャリアアップの34%(日本人は25%)をわずかに上回った。ついでB独立・起業が24%(日本人は9%)。
自身のキャリアアップ・独立に関する意欲・関心は、このところ「草食系」との評価が定着しつつある日本人の若者より高いのは当然(比較するなら外国に留学している日本人学生を対象にすべきかもしれないがあいにくデータが手元にない)として、日本企業に定年まで勤めたいというのは、留学生は日本企業の将来性を高く評価しているのかもしれない。
[JaLSAニュース]2011.1.19
・賛助会員RJC様よりセミナーのご案内
株式会社・移民情報機構
代表取締役・編集長 石原進
「第一回留学生政策を考える公開セミナー」ご参加のお願い
拝啓 時下ますますご清栄のことと存じます。
平素はひとかたならぬお引き立てを賜りまして、心より御礼を申し上げます。
さて、私たち移民情報機構は、文部科学省の氷見谷直紀留学生交流室長を講師としてお招きして下記のようなセミナーを企画しています。
文部科学省は昨年、留学生の日本語教育に関する懇談会を設けて議論のとりまとめを公表したほか、新たに「高等教育機関に進学・在籍する外国人学生の日本語教育に関する検討会議」を設置し、日本語教育機関の位置づけや教育の質の保証などについて議論を始めているところです。こうした中で、セミナーでは日本語教育に関わるより多くの方々に文部科学省側の方針を知っていただくとともに、留学生政策に関する議論を深めていきたいと考えています。なお、今回のセミナーに続き、厚生労働省、法務省入管局などから講師を派遣していただき、様々な角度から留学生政策を取り上げる方向で、関係機関と調整しています。つきましては、第一回セミナーにふるってご参加いただけますよう、お願い申し上げます。今回の会場は日本学生支援機構東京日本語教育センター(JR大久保駅徒歩7分)です。事前申込が必要です。 敬具
留学生政策を考える公開セミナー
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実施要綱
名 称 第一回留学生政 策を考える公開セミナー
主 催 活レ民情報機構(RJC)
後 援 (関係団体に要請中)
講 師 文部科学省高等教育局学生・留学生課学生交流室 室長 氷見谷直紀氏
日 時 2011年1月29日 午後4時から午後6時まで
会 場 日本学生支援機構東京日本語教育センター 東京都新宿区北新宿3丁目22番7号 Tel 03-3371-7267
(JR総武線「大久保駅」北口徒歩10分 同 「東中野駅」東口徒歩 8分)
地 図
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・参加費 (資料費等)
一般 2,000円
会員 1,000円 (RJC)
・定 員 120名 (定員になり次第締め切ります)
・申込方法 事前に下記の申込書によりお申込みください。
・当日の予定
15:30 受付開始
16:00 開会の辞 移民情報機構 石原 進
16:10 基調講演 留学生交流室長 氷見谷直紀
17:10 休憩
17:20 質疑応答
18:00 閉会
※参加申込書は下記になります。MailまたはFAXにて、お申込み下さい。
申込書はこちら
☆移民情報機構RJC(留学生情報センター)☆
☆〒173-0025東京都板橋区熊野町45-5-901☆
☆TEL/FAX 03-3959-9730 携帯090-9132-0077☆
☆URL http://imin-rjc.jp/index.php☆
[JaLSAニュース]2011.1.18
日本語学校 倫理規定について
こちらをご覧下さい・・・(Wordファイル)
[JaLSA提言]2011.1.6
《留学生通信19》
《日越留学生の交流拡大を目指し日・越留学生交換取り決め契約書を締結》

T、ベトナムから教育訓練省のトラン・バン・チン局長ら9人が出席
一般社団法人全国日本語学校連合会(JaLSA)は、さる12月16日、東京都千代田区のホテル・ラポール麹町で、ベトナム教育訓練省と、ドン・ナム経済技術大学間に、日越留学生の交流拡大を目指して「日・越留学生取り決め契約書」を締結した=写真。ベトナムには邦人企業約200社が進出。今もベトナム進出企業は増加中で、この日本の産業界の動きに平行するように、ベトナムでの日本語熱が高まっており、日本への留学と就職希望者の増加が一層見込まれている。
また、JaLSAと同教育訓練省との両者間では、すでに今年2月、ベトナム学生を留学しやすくするために、高校、専門学校、大学などの成績証明書、並びに大学入学統一試験の成績証明書をベトナム教育訓練省が発行する形で行う認証制度の導入で合意調印済みで、日・越両国の留学生交流は、今回の留学生交換取り決めで一層深まるものと見られる。
今回の調印式には、日本のJaLSA側からは、東京日語学院(さいたま市)理事長の荒木幹光理事長、同問題の担当者であるTOPA21(都杉並区)校長の水田穣作同理事、日本文化経済学院(那覇市)校長・代表取締役の仲田俊一同理事、東京日英学院(江東区)の本田幸男雅校長ら5人が出席した。
ベトナムからはベトナム教育訓練省の代表、トラン・バン・チン局長、ビンナン省のフィン・バン・ニ副主席、ホーチミン市のドン・ナム経済技術大学のフィン・バン・チョン学長ら9人が出席した。
留学生交換取り決め契約書には、関係者を代表して荒木理事長、チン局長、チョン学長がそれぞれ署名した。契約書は11条からなり、@留学支援A多様な文化理解上の語学教育の不可欠性B厳格審査と法令遵守C進学支援D就職支援――などをうたっている。その具体的内容は以下の通り。
U、日・越留学生交換取り決め契約書
趣旨
日・越留学生交換取り決め契約書の調印は、流動化が加速する国際間において、今日ほどベトナムと日本が広範な結びつきを求められる時代はない、との認識の下、両国各分野の協力関係を深めるにあたり、ベトナム教育訓練省(甲)、ドン・ナム経済技術大学(乙)とJaLSA(丙)が、教育関係の深化のために盤石の基礎を築くことにある。
第1条、目的
甲・乙および丙は、ベトナムと日本の繁栄と平和を希求するにあたり、双方の若者の交流拡大を目的とする。
第2条、留学
日・越双方の若者がそれぞれ留学するにあたり、甲・乙および丙は、
双方が円滑な留学ができるよう最大限の支援を行う。
第3条、語学教育
教育は人類が平和に発展するための最も有効な投資であり、親が子に、
国が民に、アジア人がアジア人に、様々な文化や文明の多様な仕組みと
教養や学術の実際を教授することは、地球人類が平和裏に生存し続ける
ための不可欠な事業である。
その教育が円滑に行われ、その目的が適確に達成されるためには、双方
が言葉の教育が基礎になると認識する。
第4条、留学の条件
ベトナム、日本の若者が、双方の国へ留学するための条件は、双方の
政府が認めた学校で12年以上の教育を受け、かつ卒業した者とする。
第5条、留学生の選考
甲・乙及び丙は、それぞれの国の留学生選考にあたり、勉学への向上心、
海外生活での忍耐力、留学費用の担保などを厳格に審査し、かつ、双方
の国の法令を遵守する者を選考する。
第6条、進学の援助
ベトナム、日本の若者が双方の国へ留学し、一定の語学力を習得し、専
門学校・大学・大学院などへの進学を希望した場合、甲・乙及び丙は、
進学援助を行う。
第7条、就職の援助
ベトナム、日本の若者が双方の国へ留学し、一定の語学力を修得し、かつ、その時点で就職の資格を有し、就職を希望した場合、甲・乙及び丙は就職支援を行う。
第8条、個人情報
甲・乙及び丙は、個人情報遵守の立場から情報の漏洩防止に厳重なる管理をしなければならない。
第9条、紹介手数料
甲・乙及び丙は、それぞれが相手方に留学生を紹介した場合、紹介手数料を支払う。金額は別途に定める。
第10条、期限の利益
甲・乙及び丙は、本契約有効期間を本契約から5年間とする。ただし、5年経過後も甲・乙及び丙、双方に異議がなければ、自動的に1年ごとの延長を可能とする。
第11条、信義誠実
甲・乙及び丙は、信義誠実の原則に則り、本契約を遵守し、両国の発展に寄与する。
付帯事項
甲がベトナムにおいて留学生を募集するにあたり、北部地域を甲が担当する。南部地域を甲の承認の元、乙が担当する。丙はこれを了承する。
契約書調印に当たって、荒木理事長は冒頭の挨拶で「国際間の流動が進み、今ほど交流が期待される時期はない。交流が深まる中、とくに教育分野を深めていきたい。それは教育が一番大事な分野で、教育が高まれば、世界の平和が高まるからだ。その意味で、日本とベトナム双方の教育を通じた交流を深めてゆきたい。JaLSAとベトナム教育訓練省、ドン・ナム大学間との交流が一層深まることを期待しています」と述べた。
また、ベトナム教育訓練省のトラン・バン・チン局長は「今回の契約は、事前に契約内容を拝見し、全体的に良いと思っています。今日はビンナン省の代表からもひと言いただきたいと思っていますが、今日は、皆にとって忘れられない日になると思っています」と祝辞を述べた。ドン・ナム経済技術大学のフィン・バン・チョン学長は「大学の日本語センターには、毎月500名の学生が募集できます。日本に留学したい学生も多い。200社の日本企業が進出しており、日本語留学生も多い。これから色々とご協力したい」と述べた。
また、同局長からはベトナム留学生の現状について説明があり、ベトナムから世界に向けて、これまでに5、6万人の留学生を送り出したが、留学先は米、中、英、豪、加の順に多く、日本は学費、生活費が高いために、留学生は、まだまだ少なく、経済的に立派な家庭でないとなかなか日本に送り出せないという。
この点、中国は物価が安く留学生が過ごしやすいために留学先として、選ぶ学生が多いという。同氏は、日本側に@留学生に対するアルバイトの確保支援、Aビザ申請の簡素化、B文化・経済宣伝の強化――などを要望した。
中国は宣伝がずっと立派で、各大学全体が一帯となって学生募集の宣伝を年に2回、4月と11月に行っているという。このため、日本側も宣伝による留学生募集のあり方については、検討の余地が多いにありそうだ。
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